8月11日(火) 横浜にぎわい座

開口一番 春風亭いっ休 『たらちめ』

『湯屋番』

ゲスト 柳家小ゑん 『銀河の恋の物語』

(仲入)

『豊志賀』

   お囃子 井上りち

 

殺人的に暑い日。家から出るのを迷うほど。午後には、クーラーを点けても室内が32度。これじゃあ、にぎわい座まで着けないよと、弱気になったが、まあそこはそれ、ケチな高等遊民はチケットを買ってあるし、調べたら当日券なし完売と言うことだし、行こうと。

大正解でした。

 

開口一番は、春風亭一之輔の三番弟子と言っていた。柳家の口演会でも出るんだなあ。どっかで見た顔。話はダメだけど。

 

三三の登場で、待ってましたの合唱。ええんかいな、と思ったが、ま、うれしいことだよね。この暑さに関連したマクラの後で、ご存じ『湯屋番』で、勘当された若旦那の話。

何度も聞いた話だけど、どこが違うんだろうか、面白い。間かな、タイミングかな、演じ分けかな。

 

初めて聞く柳家小ゑん。小三治の弟弟子だそうで、三三からすればおじさん格。

なんでも、相当な天文ファンだそうで、七夕の彦星織り姫の話を中心にして、超現代的な話題も込めた、天文系創作落語。

面白いじゃあないですか。聞いたことがない落語家だけど、あれこれ聞いてみるもんだねえ。経歴は十分のハズで、口舌は達者。話題も織り込んで。ニュースを知らないと追いつけない。天文学の知識をわかりやすく織り込むのも、良い。こういう自分の好きなジャンルを、きちんと創作落語にしてしまうと言うのは、良いんじゃないかな。

またどこかで聴きたい。

 

仲入後、出囃子が聞こえてこないと思ったらば、良い声のお囃子三味線と小唄が流れてくる。趣向だねえ。これから『豊志賀』を話すという雰囲気を高める。

マクラはなしに、突入するが、真景累ヶ淵の第3話であるから、第1話、第2話のあらすじをざっと話す。仕方がないのだけど、初めてのお客には、何のことやら理解できずに、ここで眠くなるかも。こちとらは、ユーチューブで桂歌丸のを、7話通して聴いたから、良く解るのです。コロナ効果。

あのドロドロした噺を、じっくり、淀みなく語る。ちょっとした笑いも取って、どきっと大声でビックリさせたりはするけど、基本は語り、話芸。圓朝作品をじっくりと語る。

ぐぐっと、話しに乗り込まれていく時に、前の席のおじさんが、いびきを立てる。何度もにぎわい座に通っているが、初めてだなあ。シーンとした客席に、無粋に響くいびき。あれまあ、興ざめ。ペットボトルに入れて解らないようにしていたが、焼酎の炭酸割りを持ってきていて飲んでいたんだ。いや、眠らなければ、眠ってもいびきかかなきゃ良いんだけど、特にこういう話の時は止めて貰いたい。

でも、客席はむっとした雰囲気だったが、すぐに話しに溶け込む。聞き入る。そんだけの話芸力が三三にはあるのでしょう。

 

コロナ明けで、円楽、雲助、志ん輔と来たが、円楽は論外ダメ、あとはまあまあで、今回の三三素晴らしい。柳家系は、まともじゃないのかな。

円楽は、買ってある以外はもう止めましょう。三三はできるだけ行こうと思う。さすが、小三治の弟子。