7月13日(月) 横浜にぎわい座

『欠伸指南』

ゲスト 粋曲 柳家小菊

『たがや』

(中入)

『船徳』

 

4ヶ月ぶりの横浜にぎわい座。座席は、どこでも同じ市松。入場時の検温、手指消毒。

それで、売れる座席は満席になっているのかと思ったら、1階席でも、3分の1、2階席は閉鎖状態。

てなぐあいで、復活という意気込みに欠けて、始まる前から、やや意気消沈。

それでも、円楽が登場すると、円楽は前座を伴わない場合も多いのだけど今回もいきなり登場で、1階最前列の陣取ったおじさんたちから「待ってました」の掛け声。

良いぞ、と思っていると、円楽は、こんな時期だから、内心は喜んでいるくせに、大きな掛け声は禁止、大笑いもダメですよ的なことを言う。

わかっているんですよ。でも、それを客へのくすぐりのつもりか、わざと注意する。それで、なんだか、しゅんとしちゃって、客席の盛り上がらないこと。

円楽は、性格が悪いんじゃないのか。

 

『欠伸指南』、まあそういうお話しですよ。ベテランだから、ちゃんとできますよ。

ゲストの粋曲は、座敷芸だけど、まず声が小さくて、早口で聞こえない。都々逸も、気分が乗って聴けば良いのだけど、さっきの円楽のせいで、乗らない。でも、客は親切ですよ。1曲1曲ちゃんと拍手して。僕は、ウトウトしたけど。ゲストの柳家小菊も、どうにかして場を温めようなんて気は出なかったみたい。

 

『たがや』初めて聞いた気がするが、まあ、花火見物と江戸っ子の啖呵と、落ちぶれ武士の話。面白いのだけど、ちゃんと、話していましたよ。

 

『船徳』も、まあ、ちゃんとできました。気が乗っていないよね、円楽も客も。

ベテランなんだから、一応はちゃんとできますよ。

 

仲入後に、「素直な客ですねえ、掛け声禁止、大声笑い禁止といったら、素直に従っちゃった」、などと言っていたけど、時、既に遅し。

盛り上がりに欠けました。

まあ、そういう落語会もありますよ。ライブだから。でもね、折角久しぶりの落語会で、楽しみたいと思って出かけているんですよ。

そういえば、円楽は、この間、酒ばかり飲んで、稽古なんてしませんよこの歳になって、なんて喋ってたけど、この辺が、能楽師と違うのかな、満を持して高座へ、という気力が感じられないのです。

前日の、横浜狂言堂と違いすぎて。あのもとお笑い芸人、必死でしたよ。落語だから、気を抜いても良いんだけど、それにしても、ねえ。

 

高等遊民、にぎわい座は復活したけど、落語はいまだ復活せず。座席はこの状態がしばらく続くだろうから、いつになったら、落語会復活になるか。幾ら、客と噺家の共演だと言っても、話すのは噺家だかんね。客が少なくても盛り上げてくれなくちゃあ。その意欲を受けて、こっちも期待に満ちている訳だから反応するって。火付けは、噺家でしょう。ちゃんと火を点けてくれれば、客は、さっと燃え上がりますよ。

先代円楽、歌丸が嘆いて居るぞよ。