「独裁者」のブログを書いた後、録画が残っていた「殺人狂時代」と「ライムライト」を観た。これで5作品を観たことになる。
「独裁者」の感動は冷めないが、「ライムライト」の素晴らしさにも感激した。
1952年の作品。チャップリンは1989年生まれなので、63歳の製作。私は、現在66歳。
「黄金狂時代」のドタバタ喜劇時代は、30歳代の若者。反ナチズムの急先鋒映画「独裁者」は、50台だ。
「ライムライト」は60歳代のチャップリン映画。第一印象は、「歳を取った」こと。
映画の内容も、落ちぶれた老喜劇師と若いバレリーナの話で、過去の栄光を誇りに思いつつも、人気の落ちたかつての名喜劇師の、つらさ、悲しさ、苦しさ、そして老兵になっても喜劇役者でいられる楽しさとうれしさ。
チャップリンは、自分の姿を反映させていたのだろうか。
早く引退したかったのか。こういう感覚は、かつて有能な(?)弁護士であった時代と、能力に衰えを感じていく時代を経てきた我が身にも置き換えることができる。
まだ出来る、いやもう出来ない。辞めた方が良いんだ。でも若いモンは・・
結婚を迫る若き有能なバレリーナ。それは拒絶する老喜劇師。見守りに徹する。
最後の喜劇舞台の成功と、素晴らしいバレーを観ながら死んでいく様。まあ、これは映画だからね。
チャップリンは、やはり名優と言うことなのでしょう。それだけではなくて、作曲を含む、マルチな才能。こういう人種をタレントと呼ぶべき。
チャップリンは、左利きだったんだね。左利き用のヴァイオリンを演奏していた。初めて見た。
コロナ危機下の高等遊民。NHKBSの放送録画だけど、こういう時間が与えられて、それでこういう映画を観ることが出来たのは、幸いと言うべきでしょうね。