3月3日(火) アルテリオシネマ川崎
2019年韓国作成
監督・脚本 ボン・ジュノ
いやこれは、ビックリした。凄い映画でした。ちょいと暇つぶしに入っただけで、確かに、マスコミには出ていたような、という程度の認識でした。
2020年アカデミー賞作品・監督・脚本・国際長編音楽賞受賞。
こういう受賞歴だからでは決して無く、一度は観ておいた方がよろしいのではないか。
テーマは、高台と広い陽当たりの良い庭がある家に住む上流と、低い土地の、しかも陽の当たらない半地下に住む下流者の、決定的な、格差。いや、経済的成功者かどうかの格差が、象徴的に、高台・陽当たりの家と低地・半地下の家に現れる。
決して、乗り越えられない格差社会。韓国では、大学入試がものすごいエポックで、良い大学には入れるとそのまま高収入と良い性格が実現できる、のか。
格差の排除のためにどうのこうのしようという社会的な作品ではない。下流の卑屈さもいやらしいほど出てくる。上流の何不自由ないあっけらかんとした上品さも。
ただ、「匂い」。下流生活の「匂い」だ。これはどうしようもない。ドブの匂いか。
そのために悲惨な事件に発展する。
観て、感動するような映画ではない。凄いとしか感想が言いようのないもの。
韓国は、こういう映画を作るんだ、とこれは感動。
ヘイトの者どもたちよ。この映画を観よ。恥じろ。
こういう映画が、商業ベースで配給されないのだね。日本の映画界も問題あり。