11月9日(土) 法華宗本覚山 妙壽寺本堂(世田谷区北烏山・千歳烏山駅から)

 

春風亭一之輔独演会

 前座 春風亭貫ひち 『子ほめ』

 『 ? 』

 『天災』

(休憩)

座談会 一之輔、住職、浅見慈一

ミニレクチャー 「羽衣の見どころ」 小早川泰輝

(休憩)

仕舞 『浮舟』 浅見真州

    『融』 小早川修

<火入れ>

竹灯籠能 『羽衣』

   シテ(天女)浅見慈一 ワキ(漁師・白龍)村瀬堤

   笛:栗林祐輔 小鼓:大山容子 大鼓:原岡一之 太鼓:梶谷英樹 地頭:小早川修

   面:小面か

 

主催は代々木果迢会で、妙な場所で、妙な取り合わせでの会。面白そうだから行ってみた。10年くらい前に、まず能の会だけで始まって、7年前くらいに一之輔落語が加わった。

住職と代々木能舞台の浅見真州さんが、義兄弟の関係か。またその妻が、一之輔を二つ目時代に見初めて落語会も引きつけたと。

だから、落語とお能は、まったく別のモノだが、連続企画となっている。今年から通しでしかチケット販売しなくしたとか。

 

一之輔落語。こっちはお寺の本堂なんてとこでの落語会は初めてだけど、一之輔は、地方ではやったことがあるらしい。読誦するから音響効果も悪くないとか。

前座はダメ。

最近、一之輔は独演会はダメだったけど、今回の2席は良かった。お寺だけど爆笑。演目は、一つ目は紹介がなく、初めてだったので不明。が、ご隠居と長屋のモノとの掛け合い落語。2席目『天災』も同じだよね。気の短い江戸っ子に天災と思えと教える話し。

どうして、1席目を覚えていないか。

客は、むしろ能が主体のような方達だったけど、一之輔はそれでも爆笑させる。大したもんだ。場所とか、能とか、まったく関係ないお得意分野の噺だもんね。

 

仕舞の2曲。演じたのは代々木の重鎮2人。さすがの迫力と動きだね。狭い舞台で、揺るぎなく。

 

『羽衣』は3回目。多いね。この後も2回かな、予定が入っている。

でも、よくあの狭い本堂でできるよね。大きな柱が4本立っているところを舞台に見立てて、そのぐるり3周が見所。舞台も半分板張りだけど、畳敷きもある。滑りが違うだろ。本尊さんの前で。だから、地謡は4名だけ。あの狭さだから4名でも十分でしたが。

小鼓が女性は初めてで、鼓の音は普通だけど、やはり掛け声がやや高音で、ちょっと違和感。

ほとんど舞の曲。でも、時間の関係か、天女の舞部分はカット。それでも、序ノ舞、破ノ舞、美しかったですよ。袖も振り上げるところも、お堂のつり下がっているモノにちょうどぶつからない場所で、上手に。

「和合ノ舞」との小書きは付いていないが、冠り物は鳳凰。

舞台廻りや、通路、門からの道に配された竹灯籠が美しく、本堂での能と、まずらしさと特異な環境での能と言うことで、良いんじゃないのか。でも、お能の役者達は、手抜きをせず、きっちりでした。

 

たまには、こういう変則的な企画モノも面白いかも。