10月6日(日) 横浜にぎわい座

桂優々 『平林』

『サクランボ』

『くっしゃみ講釈』

(仲入)

『戻り井戸』

 

先日聴いた、上方落語で桂米團治が面白かったので、思わず買ってしまった落語会。

2階席は販売しておらず、1階も90%以下の入り。人気ないのかなあ。上方は合わないのかなあ。

雀々は、枝雀の弟子で、20年前に枝雀が自殺した時、枝雀を下ろしたのが雀々だったらしい。首つりか。

もう20年か。生枝雀は聴いたことがないけど、ユーチューブではたっぷり。天才と言って良い。

 

優々は、だめ。まったく印象に残らない。

『サクランボ』初めて聴く飛んでも噺。イリュージョンを越えて、荒唐無稽、あり得ないお噺。サクランボの種を食べてしまって、頭に桜の大木が生えてきて、どんちゃん騒ぎ、抜いたらそこに池ができて、またどんちゃん騒ぎ、アホらしくなって自らその池に飛び込んで自殺する、と言うなんじゃこりゃ噺。

「面白くないですよ」「変な噺ですよ」「付いてきてくれないと困るんですよ」等というマクラまで、枝雀とそっくり。ものまねか。が、天才枝雀の後を追うためには、ものまねしかないか。

 

『くっしゃみ講釈』は江戸でもあるかな。八百屋にこしょうを買いに行く時の様、講釈師のくしゃみの様子は、枝雀の身振り手振り、口調、顔つき、動作まで、すべて、同じ。いや、同じようにしたいと思っているんだろう。でも、無理さあ。枝雀は天才だもの。

面白いお話しではあって、爆笑だったけどね。

 

仲入後のマクラは、米朝、枝雀、ざこばの酒酔い様子話でこれは興味深く、かつ、面白かった。米朝一門の先輩を笑いの種にするしかないんだろうな。天才の米朝、枝雀を継ぎたいものとしては仕方ない。志らくも、談志真似ばかりだったからな。いつになったら脱却できるか。

その酒飲み酒酔い様子のつなぎで『戻り井戸』。これは枝雀の新作らしい。場面展開が急で、ついて行けないかも知れないけど、どうして、空井戸の中から始まって、最後も井戸の中で終わるのか。途中の、だんだん酔っていく様が見物、聞き物。ここも枝雀そのもの、に近づこうと。

 

あまり馴染みのないお題だったので、予習にユーチューブで、しかも、枝雀を聴いてしまったのが間違いだったか。

雀々は、枝雀のクローンになりたいのかも知れないけど、無理だって。敵は天才なのだから。どこまで枝雀を盗んで、自分のものにするか。

『地獄八景亡者戯』をできるようになって欲しいもんだ。『愛宕山』でも良い。上方落語の、本場上手なの、ライブで聴きたい。