7月19日(金) 宝生能楽堂
ミニ講座 東川尚史(宝生流シテ方)
能 『清経』(金剛流)
シテ(平清経)金剛永謹 シテツレ(清経の妻)宇高徳成 ワキ(粟津三郎)安田登
面シテは:中将か。(紹介無し)
狂言 『樋の酒』(和泉流 野村万蔵家)
シテ(太郎冠者)野村万蔵 アド(主)能村晶人 アド(次郎冠者)野村万之丞
(休憩)
小舞 『猿聟』 大藏彌太郎(狂言方大藏流)
仕舞 『道明寺』 香川靖嗣(喜多流)
仕舞 『班女』 梅若万三郎(観世流)
仕舞 『殺生石』 金春憲和(金春流)
能 『杜若』 シテ(杜若の精)宝生和英 ワキ(旅僧)工藤和哉
面:シテは節木増(宝生流伝来とか)、
附祝言
能楽協会が年に1回主催する能楽の会。42回目で毎年1回だから1967年からか。シテ方5流と狂言方2流が総出演するといういかにも能楽協会がやりそうな企画。
能楽の普及と言うことだろうが、歴史的使命はどうかな。観客は関係者らしき人が多く、各流派からの動員的。しかも熱心な流派とそうでもない流派と。もちろんそれでもプロだから、内容はしっかりしている。観客は、自分の関係する流派は熱心だけど、他流派には案外淡泊で。ロビーや喫茶部でお茶していたり。
そういうからという訳でもなくて、専らこっちの体調のせいなのだが、『清経』で寝てしまって、シテ(清経の亡霊)の登場に気づかなかった。こんなことは初めて。それでも戦いのシーンでは、太刀を持って勇壮に舞う姿や、またっと終わる辺りは、良いね。
『樋の酒』は何度目かしら。野村万蔵は、老壮青の中核として、引っ張る。最後に、主に怒られながらも、もう一杯飲む演出は、前からそうだったかな。
小舞というのは、狂言方が行う仕舞。きちんと舞ったけど、今回は能の2曲ともアイの出番がなかったから、狂言方の出番を作るため。
仕舞も、能を担当しない流派が舞う。地謡も各流で交代。まあ、比較できて面白いけど。観世流はあまり熱心ではないのだね。付き合うという程度。
『杜若』は2回目。初回は去年の10月に鎌倉能舞台で、観世流。今回は宝生流で、宝生流は企画に熱心で、ミニ講座ではシテの衣装の着方の実践解説。面も、宝生流伝統の「節木増」だと。去年10月の時には感動したのに、今回の感動が薄いのは、専らこっちの体調の問題でしょう。在原業平の和歌が題材になっているが、先日観た狂言『業平餅』における在原業平の描き方との相違の方が気になって。同じ業平を、歌舞の菩薩とまで持ち上げる能、金もなくスケベな人物に描く狂言。自由な発想で、しかも実際に演じられてよろしい。
こういう点に芸能や能楽の良さがある。
トランプが、イスラム系の民主党女性下院議員に対して「国に帰れ」と演説。それに聴衆が答えて、「帰れ!帰れ!」だと。完全にヘイトスピーチで、それを煽っているのが世界一軍事大国の大統領。ヒットラーも反ユダヤで熱狂されたのだ。大日本帝国も挙国一致とか国賊だとか、その背景に朝鮮人差別。
知識人は、あのとき「黙ってやってくる」と反省し、警告をならしていたではないか。かのファシスト・トランプ大統領を持ち上げる米国大衆と日本国総理大臣安倍。危険だ。大変に危険だ。明日は参議院選挙。危険は芽のうちに摘んでおかないと行けないのに・・、もう芽ではなくなっている。安倍独裁ファシスト政権は打倒されねばならない。自民党と公明党に投票してはいけない。維新も危険。