5月14日(火) 麻生市民館大ホール
開口一番 春風亭朝七 『垂乳根』
柳家喬太郎 『擬宝珠』
仲入
桃月庵白酒 『松曳き』
春風亭一之輔 『百川』
開口一番、前座の朝七。初めてだけど、上手いね。二つ目かと思った。名前がわからないから後で調べたら、春風亭一朝の弟子、一之輔の弟弟子。『垂乳根』は古典を純粋にやるが、口調と言い、声と言い、とても前座ではない。二つ目でも、まもなく真打ちになりそうなレベルじゃないのか。しっかり、名前を記憶に刻む。甘やかせちゃあ行けないけど、期待の新人。2015年一朝入門、2016年前座だって。将来大物の予感。
喬太郎の『擬宝珠』。本日三席中、最高賞ゲット。なかなか話しに入らなくて、満場どうなのか、時間は・・などと気を使い始める頃、噺に入って、「ようやく噺に入りやがった」と独白。これで満場爆笑。みんな同じこと考えてたんだ、でまたまた爆笑。『擬宝珠』の気味の悪さを、本当に気味悪く話す。もちろん怪談話ではないから、面白く、気味悪く、表情も気味悪く。金物を舐めることが好きな人って居るんかいな。
白酒は、名前は知っていたが、初ライブ、だけでなくて発聴き(ってコトバあるかな)。やや調子の高い声ながら、しっかりと。忘れん坊で可愛く威張る年寄りの三太夫の『松曳き』。じっくり聞くのは初めてか。今ひとつ、屋敷内の部屋の配置が良くわからず、あれと思ったり。そういう辺りの説明はわかりやすくしないとね。でも、にぎわい座では独演会やっているはずだから、行っちゃおうかな。落語行きすぎかな。
一之輔は、3人会で一番若手だけどトリ。一番人気者だからなあ。料亭『百川』に、新しく奉公に来た田舎者の、何言っているかわからないコトバの誤解に基づくお話し。本題に入る前に、マクラの中で、祭りの話をしながら「四神剣」の話をしてくれたので、田舎者の新奉公人が「主人家」というコトバの誤解が良くわかった。こういうさりげない説明がさすが。それでしっかり笑わせる。8時頃から始まったが、8時半ではなく、8時45分頃まで、たっぷり。あのお話し、まだ後半のお医者さんが出てくる場面が必要かどうかわからない。本物の、隣町の役職者が「四神剣を受け取りに来た」という落ちを出すためか。もうちょっと、落ちを考えようか。
まくらは、平成と令和の天皇のギリギリ話し。こういうのがライブ。
このところ、家人と二人でいる時間が多くて、それによって心身ともに不調となっていたが、この落語会で救われた。家から出て、大笑い。これが健康の秘訣。高等遊民も心身の体調が悪化してはダメ。日々を穏やかに過ごせない。そういえば、今年の年初のおみくじ、運勢小吉で、「笑」と大文字で記されている。「悲しいときほど笑おう。」