5月9日 横浜能楽堂第二舞台
12名の当選通知に当たった、と思っていたら、25名くらい来ていて、まあそうだろうな、と。
講師は、梅若紀彰先生。偉い人なのだ。将来は、梅若玄祥、実とか、六郎になって、人間国宝になるかも知れないのだ。そんな大先生が、全くの素人に教えるのは、大変なことだ。おそらく、梅若会のシテ方で、、紀彰さんに直々に教えて頂けるとしたら、プロでも恐縮し、緊張するのだろう。実際は気さくな人だった。
持参した白足袋を、生まれて始めて履いた。
テキストは、梅若初級本の「土蜘」。梅若だけ「土蜘」と書くのだが、普通は観世も「土蜘蛛」と書く。何故だろう、なんて考えてはいけない。そんなもんなんだと。
貸して貰った、仕舞扇の扱い方を簡単に教えて貰って、すぐに、謡の実践に入る。ええ!?難しいテキストの読み方一般論の講義はないのか。謡ながら、右に付いているごま点の意味や、拍子合(不合)の意味や、ヨワ(弱吟)のこと、を実践的に。上は高い音階、中と下と。まあ、そのところにさしかかると、説明があるのだが、わかるはずがない。講師の発声をまねて、それを書き留めるのに汲々。私は、前にテキスト貰って、旧字の読み方を予習しておいたから、まあ間違えることは少ないが、読めないと読めない。録音が必須。
一時間以上、謡の練習。後、さあ舞だと。お能の舞は「型」であることは知っていたので、その型の説明と真似。左足から出て、摺り足で。射し込み、開き、刺し。こては録音できない。第二舞台の前方に姿見鏡があって、ちょうど前だったから、そこに焦点を当てて、やってみるが、うまく行くわけがない。
生まれてこの方、運動系の練習を真面目にしたことが無い。文化系人間なので、例えば、ゴルフをやろうにも、まず、教本を買ってきて読み込んでからレッスンに通う。ところが、事前学習の余裕もなく、しなくて良いと言うことだったし、困ってしまう。黙って、身体で覚えろ、ということなんでしょう。
終わったら、太ももが痛い。日常的に運動不足の上、妙な格好をしているから。でも、紀彰先生の、立ち姿、舞姿は格好いい。そんなになりたいなあ。背中を丸めて読書ばかりじゃねえ。次回は、約2週間後。録音をした謡と、説明を受けているはずで動画にした舞の型を練習しましょう。また、忙しくなる。高等遊民の新しい門出。