5月8日(水) 横浜にぎわい座
開口一番 立川志らぴー 『手紙無筆』
『花見の敵討ち』
『鉄拐』
(仲入)
『柳田格之進』
前座は、あんなもん。
『花見の敵討ち』は、長屋の花見モノ。先日、一朝・一之輔2人会で、一之輔が『長屋の花見』をやって、満場爆笑だったが、志らくはそれに比べては悪いか。得手不得手があるものね。もっと、空想して飛び跳ねるようなモノでないとね。まあ、普通の噺。
『鉄拐』は、珍しい中国舞台の噺。仙郷(桃源郷)にいる八仙人のうち、鉄拐を連れてきてしまって、芸をさせるという噺。背景に、売れた芸人が、飽きやすい客に合わせようとして落ちぶれる、また復活を企むという悲しい背景がある。談志が得意にしていたネタ。さて、弟子の志らくは。スタートは、談志と変わらんなあ、談志のマネか、そうだよね、と聴いていたが、途中で、芸が売れなくなった鉄拐が、寄席話として、替え歌をするという趣向。これが、例の志らくの替え歌で、大ウケ。志らくも気をよくして、なんと4曲も。元々こういう奇想天外なお話しが得意な上に、例の替え歌で盛り上がって、どう見ても時間オーバー。
『柳田格之進』が始まったときは、すでに8時半。どうやって、あの大曲の人情話をするかと。超生真面目な浪人が、語友達と巡り会って、碁打ちの最中50両がなくなってしまうと言う話。娘が吉原に身を売って50両拵える。ところどころ、情景や意味説明などをはしょってしまう。でも、ちゃんと。人情噺をやる。笑いも時々取って。落ちは、「堪忍袋の緒は切れるが、友人は切れぬ」だった。こういうのは初めてだが、それではその前に碁盤を切って、白黒の碁石が散らばるという設定と合わないではないか。娘も、仕官できた後に身請けしたが病気になってしまうと言う設定は、それでも良いか。イリュージョンは少ないが、人情噺もできるかんね、一之輔とは違うかんね、ということか。志らくは、怪談話も上手いだろう。
前日、ものまねグランプリというテレビを見ていて、志らくが真似されていたが、それが「昼おび」コメンテーターの志らくなの。志らくの落語のマネじゃあなくて。何か、枕で触れるかなと思ったが、触れなかった。志らくは、落語家に決まってるじゃん、といつも言っていたから。
最近、一之輔を追っかけているから、一之輔の人情噺も聴きたいものだ。