5月4日(土・祝) 宝生能楽堂

仕舞 7曲

狂言『蚊相撲』 シテ(主)野村萬 アド(太郎冠者)能村昌人 アド(蚊の精)野村万蔵

能『卒塔婆小町』 シテ(小野小町)大坪喜美雄 ワキ(高野山の僧)森常好 ワキツレ(従僧)殿田謙吉

  面:紹介無し。多分「老女」

 

連休中のつれづれに、何を迷ったか、特別な能会に行ってしまった。

宝生能楽堂に午後行くときは、近くのうどん屋(水道橋麺通団)で食すのだが、ここは、なかなか旨いうどん屋で、ここに通うことにしている。麺が旨い。天ぷらは冷めているが、100円なので、許す。前回はあつかけ、今回はひやかけ。うどんが腰があって旨いのだ。次回は、釜揚げうどんを食べよう。きっと、美味しいだろう。

 

何の話しを書いているのか。

仕舞は、まだ魅力が感じられず、眠くなる。それでも、知っている舞で、玉之段は比較的面白い。船弁慶のキリを宝生宗家が舞った。長刀を持ちだして。このキリの謡は、最初に感動した能の盛り上がり所だから、弁慶も義経も出ないけど、楽しめた。お稽古すれば楽しくなるか。

 

『蚊相撲』。ご存じ、蚊の精と主(大名)が相撲を取る狂言。蚊の精ははじめから面を被っていたか。何で、そんなの雇うのだろうか、やはり、太郎冠者だ。主の秘策で大きな扇で蚊を吹き飛ばそうとする、弱ってしまう蚊が可愛い。見どころ。さすがの、野村萬。貫禄があるし、それだけではなく、、飛び跳ねるような動作もあって、身体能力も衰えていない。

 

『卒塔婆小町』。宝生流では、そとばこまち、と読むらしい。観客は、ほとんどが、大坪喜美雄後援会の方々。一般の観客はごく少数で、あちこちで挨拶合戦。あらまあ、久しぶり。お元気でしたか。今日の宴会はお出になるの。能が始まっても、謡本を開く人の割合が多く、こっちが緊張する。演者もお偉い方が出ているらしい。囃子方も、大御所らしく、大鼓と小鼓には独自に後見が後ろに控える。確かに、仲入がないし、ずっと演じっぱなしだが。かなりのお年寄り。小生、場違いの面は否めない。持参したオペラグラスの登場は無し。場違い。こういう会には、出ない方がよろしい。

でも、お能そのものは、二日酔いであったにもかかわらず、眠ることなく、良かった。小野小町の登場は、本当に、本当に、老女だからゆっくりと、二の松辺りで立ち止まったりして。何分かかったろうか。でも、そのゆっくりした動きの中でも、小野小町の気品は失われない。舞台上に出ても、卒塔婆に腰掛けるだけで、動きがない。僧との掛け合いで、詞章がわからないと退屈するだろうが、能ドットコム(こんなん持っている人は恥ずかしながら一人)と、テレビ放映の録画(喜多流・そとわごまち)勉強のおかげ。

老女の、小町モノの中では、それでも面白いらしい。

物着をして、風折り烏帽子や狩衣(?)・長絹を着けて、深草の少将に変身。憑依だけど。ここの、狂乱の謡と舞。盛り上がるね。でも、いつもの通り、悟りの道に入ると行って、退場。静かな余韻なのに、ここで拍手するのは何故か。大坪後援会の方々にしては。却って、仲間内感なのかしら。

 

さて、高等遊民。今月のお能は、後2回。気がついたら、『加茂』と『賀茂』。同じ曲を2週続けて。流派が違うけど。で、今月のお能は、計4回。

連休明けで、謡仕舞のお稽古も始まるし、落語が3回、狂言会が2回、クラシックコンサート2回、ああそうだ、大相撲に行くのだ。月末は井上陽水コンサートで、松山へ。合間に、映画や日帰り温泉。