4月13日(土) セルリアンタワー能楽堂
仕舞 『箙』 藤波重孝
『夕顔』 高梨良一
解説 関根友孝
(休憩)
能 『鵜飼』 シテ(鵜飼の老人、地獄の鬼)坂口貴信 ワキ(旅僧)殿田謙吉 アイ(里人)山本泰太郎
面:前シテ「笑尉」(だと思う) 後シテ「小べし見」(だと思う)・・べしの漢字が出ない。読みは、カク
セルリアンタワー能楽堂に行ったことがなく、初めてなので行ってみた。渋谷駅から近いしロケーションは良い。セルリアンタワーというセレブなホテル・結婚式場ビルの地下2階。入口をすぎると料亭金田中があると言えば、理解がたやすい。内部は、新しく作った能舞台で、綺麗。席数は適正な少なさ。椅子は、作り付けではなく、高級な置き椅子。座り心地は悪くない。ずらせるから、前と重ならないようにもおける。
仕舞は、まだ素人には理解できない。格好いいおじいちゃんとは思う。『箙』は能もしたので、思い出せるかと思いきや、所々聞こえる言葉がある程度。確か、梶原の源太。地謡に女子がいて、さほど格好いいというわけではなく、普通だった。普通が良いか。
解説は、観世流のシテ方だが、そもそも話しが得意ではないはずだから、止めれば良いのに。解説するならば、学者とか評論家とか、好事家とか。無理か。じゃ、なくせば良い。眠くなるだけ。実際寝た。
『鵜飼』。やはり能はよろしい。毎度のワキ旅僧殿田さんが登場。実は日蓮らしい。道行きがあって、石和に着く。笛方と地謡の2人が女子。女子率高い。ワキとアイの語り、前シテが登場するまでは、大体理解できる。反訳本を持っていったが、読み込んでいたが、聞き取れる。見所が暗くて、見えないのだ。鵜使い(の霊)が登場する。笑尉の面が楽しい。オペラグラスの出番。殺生禁断なのに、鵜飼が楽しくて、楽しくて。鵜飼はかなり昔からあった漁方なのだろう。昔の和歌にも登場するが。この辺り語りばかりだが、理解できるから飽きない。有名な鵜之段で、初めて、舞。これも鵜飼が楽しくて、という舞。鵜をぱっと川波に離せば、というところで、扇をぱっと開く、そのタイミングと綺麗に一度で開くかという技量。でも最後に扇と松明を投げ捨てて、橋掛かりへ去る。何しろ、殺生禁断の場所で鵜飼したので、所の者達に簀巻きにされて殺されてしまったのだ。霊界に帰る。
中入りのアイは、山本東次郎家。これも良く会う泰太郎。笑う狂言と、アイとどちらも見たが、どっちが本人は楽しいのか。
後半、地獄の鬼が登場。面と冠り物。橋掛かりで舞って、舞台に出て、ワキ旅僧と語りと舞。前シテと後シテが、人格が違う。役者は同じ。罪深い鵜使いを、地獄の鬼が、旅僧の功徳によって、極楽に届ける。法華経の宣伝曲。
セルリアンタワー能楽堂のお客さんは、セレブだから、終了時の拍手はなく、退場時のささやかな拍手で、良い感じだけど、全体としてセレブすぎて、もうちょっと庶民的で良いんじゃないかという贅沢な感想。
何度も能を見ていると、お値段がね。高いと行けない。最近は中正面ばかりだけど、それでもここは5000円から6000円。セレブだし。もう行かないかな。観世会館も足が遠のく。喜多会館は、古すぎるけど行きやすい。なんと言っても国立能楽堂か、高等遊民には相応しい。