3月23日(土) 横浜能楽堂
披講 5首
『忠度』 シテ(老人・平忠度)観世銕之丞 ワキ(旅僧)福王茂十郎 アイ(里人)内藤連
面:前シテ「笑尉」(河内作) 後シテ「中将」(古元休作)
披講って、正月にやる歌会始。テレビでは見たことがあるけど、本物は初めて。読師を先頭に、講師一人に、発声外読み手が5人で、5首。修羅能にゆかりのある歌。源頼政、平経正、梶原源太影季、詠み人知らず(源頼朝関連)、平忠度作で。
一体、どういう人たちが出演というか、詠み人になるのだろう。テレビで見るような、ああいう読み方で。あれで専門職というわけではなかろう。職業にはできそうもない。それとも、伝統ある和歌の会なんかの発表会はああいう人が詠み上げるのだろうか。不思議の世界。
『忠度』。今回の能は、どうして集中できなかったのか。いつもの緊張感が出ない。ふと眠くなる。今回は十分勉強もして、内容は良くわかっていた。役者も一流。でもどうしてか緊張感が足りない。いつもの心地よい緊張感がない。前日は十分寝たはずだし、昼のビールも飲んでいない。でも、ふっと眠くなるのは、僕の体調のせいだろうか、それとも、役者側の問題か。
笛が交代になっていた。大鼓が途中で鼓を代えた。後ろにいる後見みたいな人が代わりを出した。後シテが背に負う矢を抜くときにうまくいかず、後見が手助けしようとした。舞台全体が、緊張感に欠けていたのではないか。
物語は、解りやすく、後場のシテの戦いの描写などは、とても眠くなるモノではないが、どうしてか、楽しくならない。
ものの本によると、そういう舞台もあるらしい。それに当たったのか。
また後日(明日だけど)の能に期待。