3月17日(日) 久良岐能楽堂 野村萬家(和泉流)
おはなし 河野佑紀
『清水』 シテ(太郎冠者)野村万之丞 アド(主)能村晶人
『舟ふな』 シテ(主)野村萬 アド(太郎冠者)野村拳之介
休憩
『附子』 シテ(太郎冠者)河野佑紀 アド(主)上杉啓太 アド(次郎冠者)能村晶人
3月10日から、狂言堂の狂言(入間川、鎌腹)、能を知る会(附子、小袖曽我)、一朝・一之輔親子会、志らく独演会、円楽独演会、川崎市定期能(柿山伏、楊貴妃、清水、胡蝶)と続いて、6日間で、狂言8曲、能3曲、落語10席。驚異的連続。やや疲れた。
今回は、久良岐能舞台の正面最前列で。川崎能楽堂舞台よりもっと近い。手を伸ばせば触れるほど。演りにくいのかどうか。目が合ってしまうとホントに近い。『清水』の鬼面(武悪)以外は、素顔なので、こっちも、役者も眼のやり所に困る感じ。でもさすがプロ。目玉は動かさない。後見など一点集中だけど、でも客の目線とは合わさない。
『清水』は、昨日の大蔵流山本東次郎家に引き続いて。太郎冠者のお辞儀の仕方に注目したけど、今回は、右足を少し開くくらいであった。これが和泉流野村萬家の流儀か。会話や所作もやや違う。大筋は同じだけど。深まってきましたなあ。数えていないけど、『清水』は3回以上は。
『舟ふな』これは2回目のはず。さすが人間国宝野村萬。登場だけで、迫力というか、気迫というか。アドの野村拳之介は緊張しているよう。野村萬は、1930年生まれなので89歳。とてもそうは見えない。お元気で。でもいつ死んじゃうかも知れないから。そういえば、人間国宝野村萬は初めてだな。他の役者は、みんな萬さんの孫だね。
『附子』。3月11日に引き続いて。調べたら去年9月9日の狂言堂でも見ている。このときは、京都中心の大蔵流茂山千三郎家。あのとき、学校バージョンをやると言っていたが、3月11日も、今日も差が見られないから、全部学校バージョンかしら。『附子』は4月2日に野村萬斎でまた見る。
附子って何だろうと広辞苑で調べたら、ぶしと読んで、トリカブトの根の毒のことだと。日本古来の、まあ山に入ればどこにでもある猛毒。綺麗な花を咲かせる。昔山歩きをしていた頃、よく見かけた。
高等遊民は、雑知識が広がる。が、この1週間はややハードであった。好きなモノ見ていてハードもないものだが、読みたい本が読めない、録画したビデオがたまる。少しペースを落とすか。今月は、あと、23日に横浜能楽堂(忠度)、24日に喜多能楽堂(八島、八句連歌、海人)だけ。