3月11日 横浜にぎわい座

開口一番 春風亭一猿『商売根問』

春風亭一之輔 『干物箱』

春風亭一朝 『包丁』

(仲入)

春風亭一朝 『つぼ算』

春風亭一之輔 『花見の敵討ち』

 

何回か目の親子会らしいが、初めて。一朝は、一之輔の師匠と言うことで知った噺家。ライブは初めて。いつか、テレビで見た。

 

開口一番は、まあね、座が暖まったかな程度。

『干物箱』は初めて聴くかな。道楽して閉じ込められる若旦那の逃亡を助けて、親の家の2階に代役にでる話し。下にいる親と、打ち合わせにない会話になってしまって困る。貰った干物どこにやったけかな、下駄箱でしょ、そんなわけないでしょ、干物箱でしょ、ということで題名。一之輔は、「知ってるなら聞くな」という間合いと言葉調子が良い。この辺で今日の一之輔は段々乗ってきたか。

 

『包丁』、仲入前トリで師匠一朝。ここで演ったか。妻を口説くのを頼まれた友人が、妻を口説く様が、イヤラシいというか色っぽいというか、じっくりと。さすがに一朝だな。くすぐりはあまりなくて、正調を面白く話す。

 

『つぼ算』、久しぶりに聞いた。どうしてああいう計算になってしまうのか、客も「あれ、良いんじゃないの」と思うところが面白いし、そう思わせる話術の芸。これもさすが一朝。正調だけで、古典は立派に面白く話せるし、盛り上がらせられる。

 

そしてトリの一之輔『花見の敵討ち』。師匠を超えてトリだが、いや、絶対一之輔がトリをやった方が良い。大爆笑の連続。これで一朝がトリを取ってもやりにくい。一之輔も気を遣って爆笑を誘えないか。このシーズンの花見話。花見の趣向で敵討ち。馬鹿な江戸っ子が練習する様も面白いし、時々入れるくすぐりが絶品。大爆笑。最後まで、わっと盛り上がる高座。こういう落語会は、なんとも言えず素晴らしい。一之輔は、結構神経質だと思うが、考えたくすぐりなどを、計算されたタイミングで、客にそうと悟られないように繰り出し、計算通り大爆笑。

一之輔は、まあ乗っていたねえ。乗りまくると、どんどん面白くなる。前3人会で「代書」を聞いて爆笑して、その後独演会で、「ん?」となったが、今回、一之輔素晴らしい。今一番面白い噺家じゃないか。

落語ディーパーも面白いし。でも、神経質さも解る。乗らせるとどんどん面白くなる。逆に、客が乗らせられないと、ダメになるか。

高等遊民は、もうあと2回、一之輔の公演の予約をゲットしている。3人会と独演会。これも楽しみ。