3月11日(月) 横浜能楽堂

仕舞『羽衣クセ』 観世喜正

狂言『附子』 シテ(太郎冠者)山本泰太郎 アド(主人)若松隆 アド(次郎冠者)山本則孝

(休憩)

能『小袖曽我』 シテ(曽我十郎祐成)中森貫太 シテツレ(蘇我五郎時直致)中森健之助 ワキ(曾我兄弟ノ母)小島英明

          アイ(乳母春日局)山本凜太郎

          面:シテとシテツレは直面(ヒタメン)、ワキが深井(作者紹介無し)

 

平日の午後、横浜能楽堂は全体としては4分の1程度の入り。正面席(高い!)はそれでも8部か。脇・中正面と2階はガラガラのイメージ。客層も、鎌倉のコアなメンバーって感じ。鎌倉能舞台の公演で、週日だとこのくらいの人数か。横浜能楽堂では広すぎるか。指定席を取る必要はない。何だか、やや気落ち。

 

『附子』は何度目だろう。この間テレビでもやっていた。山本東次郎家(大蔵流)の人たち。演者はしっかりやっていたし、間違いはないし、お話しは学校狂言などで広く演じられている親しみやすいものなのだけど、客席があまり盛り上がらないからか、眠くなってしまって、数度居眠り。なんてこった。こんなことはなかった。

なんと、来週久良岐能舞台でも『附子』を見るのだ。こちらは野村萬家(和泉流)。連続すると面白いか。

 

『小袖曽我』は、ご存じ曽我物語を題材にしたもの。特徴的なのは、シテ・シテツレとも直面なこと。面を着けると眼の動きが見所から見えないが、直面だとよく見えるから大変らしい。ここの公演は、解説がプロジェクターで流れるから、理解しやすい。私は、能ドットコムの翻訳を持っていったので、より解りやすい。

素晴らしいのは、最終盤の兄弟の舞。勇壮で、息を合わせて、同様の型で舞う。この公演では親子だからやりやすいか。足踏み拍子もぴったり。ここにかなりの音響の囃子方、地謡が入るから、迫力もある。これでは眠くならない。

能ドットコムによると、曾我兄弟の母親は、ワキではなく、ツレだという。ワキがいない曲は珍しいとまで書いてある。でも、ツレだか、ワキだか良くわからない。確か、最後の中森貫太さんの解説ではワキと言っていたような。でも上記の小島英明さんは、観世流シテ方なので、やっぱりツレなのか。上記では、解りやすくというか私の理解でワキと書いたけど。

 

鎌倉能舞台の能を知る会は、週日に催されることが多く、私のような高等遊民・無職者には行きやすい。5月と7月の鎌倉能舞台鎌倉公演も予約している。こちらは、こぢんまりした能舞台で、雰囲気は良くてよろしい。高くないし。自由席でいける。舞台と間近い。