10月7日(日)午前11時から、横浜能楽堂
狂言組
語「那須」 山本則重(大蔵流)
狂言「薩摩守」 シテ茂山七五三(和泉流)
狂言「通円」 シテ(通円)野村万作 ワキ(東国の僧)石田幸雄
能の間狂言だけを取り上げるのを、狂言で「語」と言うらしい。狂言方のお仕事。ご存じ、屋島の戦いの一場面で、船上の扇を那須与一が射貫く。判官義経と与一などを語り分ける。身体の位置と向きも変えて。なかなか忙しい語り。でもその場面が浮かび上がる。山本則俊が病気で代役だったけど、立派なものだ。
薩摩守は、平の薩摩守忠度にかけた、渡し船をタダ乗りするお話し。こういう洒落を秀句という。七五三さんは、しめ、と読むらしい。広辞苑によると、七五三(しめ)の祝い、とあった。
通円は、ほとんど能。囃子方も地謡もある。シテは面も付ける。人間国宝野村万作。源三位頼政が、以仁王(高倉の宮)の平氏討伐クーデターに参加して、参戦するも、宇治川の合戦で平家三百騎余と奮戦したが討ち死にした、という能「頼政」のパロディーで、300人にお茶を点てようと奮戦し、死んでしまうと言う、洒落話。能やその元の平家物語を知っているからこその、狂言。昔の人は、教養人なのだ。こういうのが高等遊民。
修羅能の主人公、武将が登場する狂言と言うことで、修羅能の世界シリーズに、登場。