9月22日、横浜能楽堂
神楽 神楽笛「庭火」
管弦 盤渉調「青海波」
能 「敦盛」・・観世流
シテ(草刈男・平敦盛)観世喜正
ワキ(蓮生法師)髙井松男
アイ(浦人)奥津健太郎
前半は、笛が主で、青海波は、源氏物語の七帖「紅葉賀」の中で、光源氏と頭中将が舞うことで有名だが、今回は、踊りは無し。
まあ、能舞台で、白足袋ではなく、正装すれば靴を履くので、踊りはここでは無理でしょう。
能「敦盛」は、熊谷次郎直実と平敦盛の、一ノ谷合戦の後日譚。前半が伏線で、途中の間狂言は退屈。後半、敦盛の面を被ってシテが登場すると、一変して盛り上がる。シテの声が朗々としている。登場だけで、わくわく、ドキドキ。
最後の地謡での舞は、素晴らしい。扇を投げ捨てて、打ち物(刀)を抜き差すと、涙がこぼれそう。「敦盛も馬引き返し、波の打物抜いて、二打ち三打ちは打つぞと見えしが、馬の上にて引っ組んで、波打ち際に、落ち重なって、終に打たれて失せし身の・・」。
ときに敦盛16歳、平家の栄華は既に二〇余年、敦盛は武士ではないのだ。子供時代からの公達、公家様。
世阿弥作らしいが、こういうのが武士の世に受け入れられたのだなあ。
私は、高等遊民化したあとで、ユーチューブでお勉強したり、対訳でたのしむシリーズを持ち込んでの鑑賞。でも、何も持たずに来る客も多くて、良くわかるなあ、と。若い人もいて。