実況中継!ディベート③(JDA春季2012~ 肯定側第一立論の質疑応答①~) | 柏ディベートラウンジ(KDL)のブログ

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2014年&2015年の主な活動:審判派遣(CoDA新人大会、ディベート甲子園)、ブログを通じたオープンなディベート普及活動

スクリプトのリンク先 http://old.japan-debate-association.org/script/sc12sp.html


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タ)否定側の質疑担当者は、立論のどの点を質疑しているかな?




マ)スクリプトから整理すると、大きく3つのことを聞いてます。


  順に、


  ①解決性2点目


  ②プラン導入による社会保障制度の影響


  ③解決性1点目






タ)順番に確認していこうか。




マ)まず、①解決性2点目について。


   →否定側は、資料のロジックを詰めています。


     具体的には、社会保障の安定→需要拡大→雇用増加というロジックに対して、


     の段階で不安解消するのか、という点を確認しています。




     この質問に対して、肯定側は、国の政策を国民が信頼することを前提に、


    社会保障の安定→貯蓄分を消費に使う=需要拡大という形で解決性が生じていく、


    との説明をしています。




タ)その回答から、どのような印象を持った?




マ)う~ん、自分の印象としては、ロジックがあることはわかるけど、


  具体的に、どの段階で、どの程度の需要拡大や雇用増加が生じるかについて、


  肯定側が十分な回答をしたとは思えませんでした。


  


  このことから、肯定側メリットの話は、定量的な議論(ざっくりいえば、数字で述べられるもの=今回でいえば、何万円分の需要拡大や、何人の雇用増加という話)というよりも、定性的な議論(数字ではないもの。要は、定量的でないもの)をより重視しているのかなあ、という捉え方をしました。




  結果的に、この試合において、何万人の雇用が増えるという類の議論が生じなかったことから、このような理解でいいかな、と思ってます。




タ)確かに一見定量的な議論に見えるけど、実際には、定性的な議論である、という捉え方は、今回の肯定側の戦略の捉え方として妥当だと思う。


 


  肯定側は、何人増えたという議論ではなく、現状の問題である内因性&重要性の議論(社会保障×→保険証取り上げられて困っている人たち)が解決されることが大事であると強調しているからね。


  もちろん、この取り上げられて困っている人たちの議論にも定量的な要素はあるけど、肯定側の大きな整理としては、マナブくんの理解でいいんじゃないかな。





  肯定側の戦略の取り方は上手だよね。質疑で、具体的な数字を聞いても、はっきりとした数字を聞くことはなかなか大変そうだし、ロジックを消すことも意外と難しそうだし。





  他方で、こういう議論展開の仕方は、ジャッジに対してメリットの大きさを的確に伝えることを難しくする側面があることには注目しておいた方がいいと思う。具体的な数字を挙げた方が、ジャッジとしては、わかりやすいからね。


  この点をフォローするために、肯定側は判断基準を入れてるんだろうけど。


  まあ、このあたりの話は、反駁のあたりできちんと整理していこうか。




  ※筆者注:定量的、定性的については、筆者の雑駁な理解を示したものです。正確な定義を保証するものではありません。詳細については、グーグル様に聞くとか専門家の文献を確認するとかしていただければと思います。




(第4話に続く)