富士山麓の山小屋、ズミの木の花が満開の日、望遠鏡で富士吉田の登山ルートをのぞくと、いるわいるわ、登山者が列をなして頂上を目指しているのが見える。

昼過ぎになると頂上から吉田大沢の大雪渓をびゅんびゅんと滑りくだるスキーヤーが望遠鏡の視野のなかに人ってきた。

シュプールやまきあげる雪煙まではっきりと見える。

コーフンした。

こんなふうにして遠くから眺めるのは初めてだったのである。

野鳥観察用のフィールドスコープを買っておいてよかった、と満足感にひたってはいたが、それと同時に、なんとか雪が消えないうちに私も頂上から滑ってみたい、という気持ちがもくもくと湧いてきたのである。

来週末はひとりでも登ろう、と誓ったのだが、うまいことに友人から電話があって、次の土曜日いっしょに行こうということになった。