また就職が厳しくなったので、面接対策や書類の書き方や
スキルアップ系など様々な就職支援が誕生しているわけ
ですが、採用数が増えない現状では、ある人が就職支援を
受けて就職できたとしても、別の人がその人の替わりに
不採用となるだけのことですから、就職支援というのは全体
の幸せには関係がありません。
いす取りゲームに参加している人を個別に応援しているだけ
であって、椅子の数を増やさないことには皆が幸せにはなれ
ません。
新卒に限った話でいうと、「全ての大学の就職支援が非常に
効果的になって、学生のレベルがグンと上がったら就職率も
上がる(企業ももっと採用する)だろう。」というのは勘違いで、
企業に雇用する余力や成長見込みが生まれなければ採用数
は増えないので、椅子を取りあう構図に変わりはありません。
新聞紙上で、就職支援や失業者向けの教育訓練の記事を
よく目にするようになりましたが、それは根本的な解決策では
ないということです。
根本的な解決策=椅子を増やすためには、まずは経済の成長。
デフレ化では雇用が増えないという問題です。
ただし、今の景気がやや持ち直すくらいとか、ちょっとプラス成長
になったくらいで椅子が十分に増えるはずはないので、これには
時間がかかります。
成長するまで椅子は増えませんというのでは、余りに厳しい
というか無策で情けの無いことだと思います。
人件費の平準化や仕事の分け合いによる雇用の拡大という
議論は、それに比べれば即効性があるのに、どうなったのかと
思います。
高すぎるホワイトカラーの給与を下げるための方策、例えば
ホワイトカラーエグゼンプションなどはもっと具体的に考える
べきですし、ワークシェアもいつの間にか関心が薄れてしまい
ました。
同時に、いつまでも昇給し続ける公務員の給与水準に関する
問題も含めて議論すべきです。
介護や医療、農業や林業なら求人があるというのなら、そこに
行きたくなるような給与水準と職場環境を整えるために税金を
つぎ込むべきです。
早くしないと、失業問題、特に新卒者を含む若年層の就職問題
は前回氷河期を上回る大変なことになりはしないのでしょうか。