2009年1月27日
1年前に交わした大好きな人との「約束」。
1年後の2010年1月27日、今日話し合った目標を
達成したらまた京都で会おう。
先斗町の料理屋さんで、日本酒を傾けながらも
熱いまなざしで真剣に話した。
京都の1月はとても寒く、帰りには小雪がちらつき、
京町屋を歩く人たちも心なしか足早に家路を急ぐ
様子を今でも覚えている。
激動の2009年が終わり、いよいよ迎えた約束の日
の一週間前。
一通のハガキが届いた。
訃報だった。
「大好きな人」が亡くなった。
奥様からの一筆には生前に彼はきちんと目標を
達成していて、1月27日に京都に向かう予定を
していたという。
不慮の事故で突然この世を去ったという。
神様は何故、今彼を呼び戻さなくてはいけなかった
のか。教えてほしい。
何故、大切な家族を残し旅立たなくてはいけない
のか。教えてほしい。
2人の約束は「果たされた」けど。
「2人」で祝うことができなかった。
でも、彼は先斗町のあの店に行きたかったに違い
ないと想い、1人で京都に向かった。
午後6時。
開店と同時に1人で暖簾を潜った。
1年前のこの日に座ったカウンターに座り、2人共
好きだった辛口の日本酒を頼んだ。
グラスを2つもらい、彼の名刺をおいて一緒に乾杯
した。
涙が溢れて止まらなかった。
なぜ、神様は大切なひとを選ぶように私の前から
奪い去っていくのか。
恨めしくなる。
1人京都で過ごす勇気もなく、最終の新幹線で東京
へとんぼ返り。
贅沢な「呑み」だけど、悲しすぎる「呑み」でもあった。
今週末は、彼のお墓にまた日本酒を持って会いに
いく。
”富さん、本当にお世話になりました。
でも、約束破ってもいいからもっと早く京都に行って
ればよかったね。
富さんの分もこれから生きていきますね。
ご家族のことも心配しないでくださいね、我々仲間で
微力ながらも支えていきます。
この1年、疲れたでしょう。
ゆっくり休んでくださいね。
ありがとう。
また逢いましょう。”