先月末、1月の完全失業率は(季節調整値)4.1%
前月に比べ0.2ポイント改善した。」という記事を見て、
違和感のある方も多かったのではないかと思います。
これだけリストラが話題になっているのに、季節調整
を入れたとしても「改善」してるはずはないやろうと
誰もが思います。
もっとも、「完全失業者数は前年同月比21万人増の
277万人となり、3ヶ月連続で増加した。」と記事には
書かれてはいるのですが。
総務省の発表資料を見ますと、1ページ目の「結果の
概要」には、就業者・就業率、完全失業者・完全失業率、
非労働力人口の順にポイントが書いてあります。
これは、注目すべき順であり、私もその通りと考えます。
何人が働いているかという実数(=就業者数)のほうが、
働きたいのに働く場がない人の割合(=失業率)よりも、
経済情勢を反映しやすいと思いますし、何よりも分かり
やすい。
ちなみに1月の就業者数は6292万人で、前年同月比で
12ヶ月連続で減少しており、ここ数ヶ月は毎月30-60万
人規模で減少しているとのことですから実感にピッタリ
合うどころか、大変なことになっていることがよく分かる。
なのに、なぜメディアは「失業率」を発表したがるのか?
いつも思いますが、「率」だと分かりにくく切迫感がない。
季節調整するから余計にそうです。例えば、失業率4.1%
だと1000人いたら41人が働きたいのに働けないという事で
それが4.3%になると、43人になるから2人増えたというのは、
余り変わらないように感じます。
でも実は、失業率0.1%は約7万人ですから、4.1%から
4.3%になると、14万人が働き場所を失ったことになります。
やはり実数のほうがリアルですし、雇用創出など政策目標
として共有しやすい。
率でなく、就業者数と失業者数を報道してもらいたいですね。