人材育成と「お勉強」 | 子育て~夜遊び~お仕事

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「テストも問題集も、出来るかどうかを試す(把握する)こと

くらいしか意味がないのであって、大切なのは出来ない事

が分かってからの行動である。」というのは、よく知る進学

指導のプロの言葉です。


テストでいい点をとったことは、出来ないことがあまり発見

できなかったという点において残念な結果であり、テストの

点が悪かったことは、“後でそれを習得するなら”沢山の

出来ないことを発見できたという点で有意義である、という

ことになります。



「勉強とは出来るようになるための行動。出来るかどうかを

試しているだけだから、問題集を解いていた時間は勉強

時間には含まれない。」

勉強時間は、解答を確認してからの時間のことを言うのだ

そうです。

60分のうち50分間問題を解いていたら、10分しか勉強して

いないことになります。

答えを確認して、合っていたか間違っていたかを確認する

だけなら、勉強時間はゼロだと。


テストや問題集という言葉を「仕事」に置き換えると、企業に

おける人材育成にも当てはまります。


問題集を沢山やるだけでは駄目なのと同様、仕事やその場数

だけで人は成長しない。

経験を効果的に成長につなげる為には、評価と振り返りが

必要だということです。

自分で評価しまたは上司や周囲から評価を受け、どうすれば

良かったのかを振り返って考えることが、成長する、出来る

ようになるために不可欠ということです。



しかしながら実は、評価と振り返りで十分とは言えません。

もう一つ大切なのはメタ認知。進学指導のプロは「合格ライン

に対して、現状はどの辺りにいるか。」「得意・不得意は何か。」

を常に本人に自覚させようとします。


同様に、仕事・現場から離れた所、高い場所から自分のレベル

を把握したり、自分が出来ることと出来ないことを自分で判明

する機会の有無が、人の成長に大きく影響するわけですが、

これは正に研修という場です。



つまり人材育成では、仕事の中身と数(経験の質と量)、現実に

即した評価と振り返り(主として上司による適切なフィードバック)、

メタ認知(現場を離れた客観化と体系化)が、三位一体となって

いる状態を作ることが重要で、研修の効果測定などと言いますが、

仕事の中身も数も物足りず、評価も振り返りもやっていないのに、

研修の効果だけを云々するのは有意義な議論とは言えません。