長文ですが、20-40代の方にお勧めのコラムです。
是非!
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今のビジネスパーソンは一般的に、向学心が非常に強いといえます。
英語を身につけたり、MBAを取得したり、自らの能力を高めること
に労力を厭わない、そういう人が非常に多いのです。
その影響からか近年、若い人の中に「外資系」への就職ブームも
ありました。若いうちから“即戦力”として能力をステップアップさせ、
3年程度で次のステップへ進む。
自分をレベルアップさせるためなら転職もいとわない、というのが1つの
成功パターンになっていました。それに連動するように企業側も、単に
成果だけではなく、地頭力・論理的思考力で評価する、という傾向
も出てきました。
しかし最近、私が気になるのは、若いビジネスパーソンは問題解決が
好きだが、人間関係の構築や地道な仕事をコツコツやり切ることが
苦手な人が多いように見受けます。
彼(彼女)らは、状況を分析し、問題点を挙げたりすることはやりたいが、
上司から指示された仕事を自分なりに工夫して実行することを
嫌がります。
要は見た目が賢そうに見える部分だけ“えり好み”するのです。
ところが実際は「では次に何をすべきか?」を具体的に示し、そして
それを行動に移せる人は多くありません。
綺麗ごとでは、物事は何も動かないのです。
今の時代に本当に必要な人材は、得られた環境・情報・人材を
駆使して「決断」し、周囲の人を惹きつけながら行動に移すことが
できる、そういう人こそ、今の時代に求められているのです。
例えば店である商品が売れたとき店長の仕事力は、「売上データを
徹底的に分析して、商品を切らさない」が、景気が上げ潮であれば
正しいことかもしれませんが、景気が厳しい現在であれば加えて・・・
■自ら店舗で先頭となって接客する
■お客様のご要望を真剣に聞く
■スタッフのやる気を高める工夫をする
など、問題解決に「率先垂範」「信頼構築」「努力する姿勢」などの
行動力を求められることでしょう。
時代を超えて活躍する人は「頭も鍛える」ことに加えて「実行するスキル」
を失わないのです。
近年、新入社員の3割が3年で辞めるといわれ、多くの企業が若手
社員の離職防止に躍起になっています。その穴埋めという側面も
あってかここ数年、リベンジ転職ともいえる「第二新卒市場」が賑わい
を見せてみました。
しかし私は、今後数年でこの「第二新卒市場」は消えると見ています。
それは、不況に入り企業が採用自体を抑えると予想されることも
ありますが、今後、第二新卒への評価が大きく変わると考えるから。
第二新卒はいわば“バツイチ”です。
しかもほとんどビジネスパーソンとしての経験を積むことなく、早々に
会社を去った身。
そういう彼(彼女)らは、ある意味“バツニ”にもなりやすい、というリスクに
企業は気づきはじめています。
となれば、企業はますます新卒採用を重視し、長く働いてくれる人材
という視点で採用をしていく可能性が高くなります。
したがって若いビジネスパーソンは、「次へのステップの腰掛け」として
ではなく、「ここで仕事をやり続ける」と覚悟を決めて働く必要があります。
少なくともそういう意識を持たなければ次はない、と言ってもいいかも
しれません。
つまり、どんな職場環境であれ、与えられたミッションの中で最大の
パフォーマンスを出す人材になること、それが大事になってくるのです。
こういう話をすると、よく若い人に「それなら自分は、どうすればキャリア
をつけることができるのか?」と尋ねられますが、その答えは簡単です。
どのような仕事であれ、やりきる力を身に付けることです。
そして小さくても自分なりの成功=勝ちパターンを出すこと。
そうすれば、かならず内外からオファーが来ます。
仕事として目立つ・目立たないは関係なく、「結果」を出しているか否か、
がすべてなのです。
単純にいえば、30歳を過ぎて「オレの居場所はここではない」と斜に構えて
いるような人に、オファーは来ません。
そういう人が新たな職場を探しても、“居場所”を見つけることは難しいと
思われます。
もちろん、仕事を離れ、知的好奇心を満たすための「勉強」にも価値は
あります。論理的思考や知的生産性を向上させることは、ビジネス
パーソンとして有力な武器にはなることは間違いありません。
しかしそれに加えて、仕事で成果を出すための「実践力」も欠かせない
のです。今後の先の見えない環境の中で、ビジネスを展開し、活躍して
いきたいのであれば、これは恒常的に必要な能力なのです。
言い方を換えるなら、単調で継続性のある仕事の中に、「成長のカギ」が
隠されているともいえます。
その中から学べることは、けっして少なくありません。
その先駆者である社長たちの言葉は、ビジネスパーソンが厳しい時代を
生き残っていくうえで、おおいに参考になるはずだからです。