競争の構造 | 子育て~夜遊び~お仕事

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組織風土、企業文化、企業風土・・・・・。

組織と企業と、風土と文化と、4つの言葉の組み合わせで

色々な言い方がされるけれど、要は風土や文化で経営を

語る時代がきているということ。



【競争の構造が変わった】


もちろん以前から概念も言葉もあり、意識していた経営者

もいたのだが、現在ほど注目されていなかったし、そのことを

経営課題にする必要性も現在ほど高くはなかったと思う。

それは、なぜか。

それは、ビジネスの競争の構造が変わったからでは?

もちろん競争の構造が変わったのは昨日今日のことではなく、

戦後の高度成長時代を経て、消費ニーズが飽和状態に

なったあたりから、緩やかに続いている現象。

競争の構造は、複雑化しました。

生活の向上が消費の動機の大半であった時代は、「生活者

の求めるもの」を「大量」に「安く」が、商業の基本であり、

生産も流通も小売も、それを基本に回っていました。

消費ニーズがほぼ飽和した後に待っていたのは、「消費の

先取り合戦」。大競争時代には、消費のニーズを探っていた

のでは間に合わない(というより消費ニーズはなくなった)。


マーケティングの矛先は、消費ニーズを突き止めることではなく、

ありもしない消費ニーズを「作り出し」「提案する」ことに大きく

変わったように思います。

消費ニーズを作り出し、気がついていない大衆に提案して

いく時に求められるのは、時代を先取りした生活スタイル提案

であり、商品やサービスに物語性があるということであり、マス

ではなく「個」にスポットを当てるということ。

必要のない先取りした商品ということは、要は必需品ではなく

嗜好品的だということ。


嗜好品の宿命は「飽きられる」ということ。


飽きられるということは、商品のライフサイクルが短くなる。
商品のライフサイクルが短いということは、開発におわれる。

かくして産業界は、大いなる「開発戦争時代」を迎えました。
それはメーカーであれ、サービス提供企業であれ、同じこと。

・変化のスピードに対応できた企業だけが生き残ることが可能
・消費者(B to Bの場合は顧客企業)に選ばれる独自性

 のある企業だけが生き残ることができる

競争力のコアが確実にこの二つになったということだと思います。


【社員の持ち味と潜在能力】

そう考えていくと、競争力の変化のスピードをとらえて対応して

いくための、そして、選ばれる独自性を生み出す源泉は何か

ということが、問題になってきます。

消費ニーズに応えていればよく、変化のスピードも今ほど求められ

なかった時代の競争力の源泉は、社長が作る時代だったと

言っていいと思います。


パナソニックや、ホンダや、ソニーなどの現エクセレントカンパニー

の多くが、社長の情熱と馬力の強さとで創業期から成長期を

駆け抜けてきました。
これらの企業も中堅を過ぎメガカンパニーとなって、社長の情熱

と馬力だけではやっていけない、組織力の必要な時代になって

あがき苦しみ、ジクザグな成長グラフを描くようになっていった。

変化のスピードと独自性の時代は、社長一人の能力では間に

合わない時代。
社員の持ち味と潜在力が、時代のアンテナであり、世の中への

アンテナとならなくてはならない時代に完全に切り替わっている

のだが、企業内の構造がそうなっていない、要するに時代の変化

に対応仕切れていない企業のほうがまだまだ多いともいえます。

「変化のスピード+独自性」=「社員の持ち味+潜在力」という

数式が成り立つとすれば、社員の持ち味と潜在力そのものに

独自性、他社と違うものを作っていかなくてはならないいということ

が言えます。


【家族経営→個の経営→組織力経営】

それでは、どうやってこの「社員の持ち味と潜在力に独自性を

持たせ」、「それを最大限に発揮させる」ことをしていけばいいのか。

これから、その鍵を握ってくるのが組織風土だと思います。

高度成長時代に必要だったのは、社員を長く繋ぎとめるということ。
この時代は「家族経営の時代」。

低成長時代に入って、価値創造が必要になってきた時代には、

社員一人ひとりの能力やモチベーションに目を向けることが必要

になりました。これが「個の尊重の時代」。

そして、変化のスピードがさらに加速し、独自性もさらに必要に

なって来た時代には、個ではなく「組織全体の能力発揮度=

組織力」が必要に。
これが「組織力の時代」。

個の尊重の時代には、どちらかというと組織は、社長から新入

社員までのヒエラルキーの縦のラインで情報が流れ、マネジメントも

されてきた。
一対一のマネジメントが基本で、マネジャーのコミュニケーション

スキルや人間性に左右される部分が多かったことは否めない。

組織を率いるマネジャーのマネジメントレベルを上げることを

止めてはいけないが、それだけでは追いつかない時代でもある。

組織全体の能力発揮度は、一人ひとりの社員の幸福感の

度合いに比例する。

一人ひとりの社員の幸福感は、一対一のマネジメントに加えて、

組織全体の風土を上手に設計することで補完していくべきもの

ではないでしょうか。