リストラしたいんですけど・・・ | 子育て~夜遊び~お仕事

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リストラの相談が増えています。


一般的には、
リストラ=リストラクチャリング=社員を減らして会社が

生き延びること。という定義で利用されています。

本来は事業構造を変えて、生産性を見直したりする

経営全体の改革のことをさしていたものが、人減らしの

部分ばかりがクローズアップされて、「リストラ=人減らし」

として使われることも多くなった言葉です。



私のところに、リストラの相談が持ち込まれるのは経歴のため。



現在ではメジャーな広告代理店でIPOのために不採算事業

の立て直しを依頼されました。

事業部長だった私は、既存顧客の深掘りと新規提携の推進

と併せ、短期間に社員を半減させるというリストラを実行隊長

として敢行するという経験をしました。



当時を知る社員が、業界に散らばっていて、リストラの話があると

「彼は経験者ですよ」という話しをするので、声がかかるみたいです。


・リストラの効率的なやり方を教えて欲しい。
・辞めさせたい社員だけ選んで辞めさせるにはどうしたらいいか。
・社員が自分から辞めると言い出すような仕組みはないか。


時にはこういう依頼もあります。



・結局「社長がダメだ」という話になったので、クーデターのやり方

 を相談したい。
・精神的に参っているので、話だけでも聞いてくれ。

 社員の誰にも愚痴が言えないので(社長)。



リストラのプロなんて言われたくないし、そもそも経営をどうするかが

大事なんだけども、相談は人をどう切るかという話しばかりで。



まるで首切り職人のように思われているとしたら、悲しい。


【リストラの真の影響】



・リストラしなくてはいけなくなったのはしょうがないとして、焦る気持ちは

 わかりますが、同じやるのでも、少しでも社員に尊敬されるやり方を。

・窮地に陥ったときの経営陣の態度こそ、社員はよく見ているものです。

・問題は、早く会社を小さくして楽になることに意識を集中しないことです。

 一つは、社員への誠意を第一に考えること。もう一つは、リストラ後に一日

 も早く再生して関係先への迷惑を最小限にする戦略を立てることに集中

 することです。

会社が好調な時には、社員が第一とか、社員と共になどと言うんだけれども、

いざ会社が苦しくなったとき、だいたいまず社員が邪魔者にされる(リストラは

そういうこと)。往々にして、一番に気を使うのが、金融機関、そして株主、

お客様ときて、社員のことは最後の最後になってしまいます。

自分だって、別に偉そうに言えない。

上場という御旗の元に、会社全体が焦燥している中で、実行隊長のボクも

人間性を失っていた瞬間があったと思います。


大事なのは。。。


隠し事は一切やめて、経営状態を全部正直に社員に公開すること。

 そして、それを経営陣がどう受け止めてどうしようとしているかを、

 自分の言葉で誠実に伝えることが何より大事。

・その上で、心ならずも出て行かざるを得ない人たちへの誠実な態度が

 とても大切。

・減量経営に闇雲に突き進むのではなく、その後の再生計画をも冷徹

 に描いてからすべてを進めていかなければならない。

 そうでないと出された人が無駄死してしまう。

・「再生時に戦力になる人を残そう」という計算をやめて、再就職がしやすい

 若い人に再出発をお願いすること。

 そして、長年会社を支えてくれたノウハウの宝庫であるベテランこそ

 大切にすること。

 これが原則。

 往々にして、若いこれからの人を残して、ベテランをリストラしがちですが、

 それは大きな間違いだと私は思っています。




大体の方が、人件費の高い「中高年」を対象しますよね。

でも、その人件費は根拠のない人件費なのでしょうか?

これまで実績を残し、少なくとも会社に貢献をした証としてポジションと報酬を

与えているはずですよね?


それなのに、年齢とコストが高いだけ。



なんていう経営者がいるとしたら、その経営者自身をリストラした方が結果は

好転します。



ご自身の経営責任や実績は棚に上げてしまうのも「日本的」リストラの特徴

かもしれませんね。