銀座にある名店「料亭 金田中」というところにお邪魔した。
とにかくすごかった。
何がすごいか。
サービス。
飛び出るような高額料金のためなのか、些細な気遣いも
実にすばらしい。
まさに「おもてなし」という日本語に花をそえる。
こういう場所は芸者さんがつくわけだが、この方々の気遣い
もプロを感じる。
お酌やお皿の上げ下げ、これもすべてに計算が織り込まれ
我々顧客に一寸の間も不快感も与えない。
私ははじめて足を踏み入れているのでほとんど地蔵のように
固まっていたが、連れて行っていただいた方は実に遊びなれ
をしていて場を盛り上げてくれた。
このお店に限らずこの業態は「一見お断り」になっている。
同伴者にわけを聞いてみた。
別に料金が高額だからとか、三流の人を入れたくないとかでは
なかった。
芸者さんにわたす「花代」がその理由だった。
花代はなぜかその場ですぐに精算できるものはないらしく、
後日の請求書回しになる。
そのため、お店は花代などを「売り掛け」として帳簿管理する。
そのために一見では飛ばれたときにどうしようもないので、常連
や紹介者がない場合はランチ利用や系列利用で実績(信用)
を積み上げるしかない。
大変なのだ。
まだ年が若いせいか、私にはこのような場所で至極幸せ、
という感慨にはいたらなかったが、常連さんの中には別宅のように
こういう「宿」をもつらしい。
黒皮の手帳みたい・・・