皆さんは自分の働く地域の法律で規定された時間あたりの
「最低賃金」をご存知だろうか。
多分、9割以上の方はご存知ない。
厚生労働省管轄の労働基準局では、年次ごとにその年の
各地域の最低賃金を規定している。
平成17年10月1日に施行された内容がある。
東京都 714円/時間
神奈川 712円/時間
大阪 708円/時間
ちなみにこれが日本における高賃金規定のBest3である。
ちょっと驚きませんか?
ちなみに低い地域は北海道、九州、沖縄で、608円である。
これまた低いのに驚く。
ここで「地域別最低賃金」と「産業別最低賃金」というのがある
ことに触れる。
上記の事例は地域別であるが、この場合雇用形態に関係なく
ほぼ全ての労働者にその権利が発生する。
この最低賃金の適用除外になるのは・・・
①試用期間中の方
②精神・身体の障害により著しく労働能力の低い方
③認定職業訓練を受けている方
④所定労働時間の極端に短い方、断続的な労働の方
である。
「所定労働時間」とあるが、これは法律で3ヶ月以上の常用雇用
をする事業会社の場合、年間の所定労働時間を280日以内に
することが義務付けられている。
企業によって、報酬体系を月次で「残業代込み」で合算した給与
を支給しているところがあるが、このような企業の場合、T/Card
を厳密につけるとほぼ100%この法律に抵触するのである。
要は、残業代が月で5万円程度しか含有されていないのに、実際
の残業時間が60-80時間/月、というところは沢山ある。
そうすると、都内の場合でも「714円/時間給」を切ってしまう企業
が多くなるのである。
このようなCaseで是正勧告を受ける企業はここ数ヶ月でも非常に
多い。
ひどくなると「サラ金大手某企業」や「ファーストフード大手」のように
残業代の追加支給ということになる。
もう1点、上記の「適用除外」に「試用期間」というのがある。
転職をされる方々でこの項目に無頓着な方が多いが、この試用期間
というのは法律上も「雇用主の一方的な労働契約解除」を認可して
いるので、これが半年以上に設定されている非常識な企業に出会った
場合はむしろ転職をとどまった方がいいであろう。
企業毎に「就業規則」があるはずなので「所定労働時間」については
そこで分かるはずである。
就業規則は全従業員が簡易に閲覧出来る様設置される「義務」がある
ので見れるはずなのだが、残念ながら一般の企業で就業規則を開放
している社数は限りなくゼロにちかいはずだ。
このような「最低賃金」ネタで監督署に告発される事例の大半は内部
告発である。
退職する社員や解雇された社員、左遷された社員など不遇を受けた
人間によるものが大半である。このようなことを想定し、退職に念書を
かかせる企業もあるが、公になればあまり意味はない。
昨今の株式買い付けによる買収予防が盛んだが、内部のこのような
ことについても雇用主、被雇用者は熟知すべきであろう。