【日本の神まつりを正しく知る】
〜七夕祭りは輸入文化にあらず〜
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今日は「七夕祭」が行なわれる日です。七夕祭りは、近来、商業や観光と結びついて華やかになった年中行事の一つですが、このお祭りは元々は水に関する祭でありました。牽牛•織女のロマンチックな説話とともに乞巧奠(きこうでん)の習わしが中国からとり入れられ、七夕といえば星祭と今では考えられていますが、これも大陸から渡来する以前に、この国土に行なわれていた祭があったのです。

タナバタはタナ、つまり地上から隔離して建物の上で、機を織る処女がいたんですね。それが棚機津姫(たなばたつひめ)であり、その水辺にたてられた神聖な建物の上で、 水を渡ってやってくる神をまち迎えて、そして、そこで祭が行なわれていたのです。

六月中旬の祇園会の頃からこの時分へかけては、水に関する祭が多いのです。七夕飾りに人形を切って吊すのも、六月祓の際の人形に相当するものの変化で、七夕は禊を行なう日であったのです。

今日の七夕は、身を祓い清めて皇室の弥栄と世界平和をお祈りしましょう。