【官報号外(昭和21年3月6日公布)】
〜過去の歴史を学び、日本の未来を考えるための歴史的資料〜

○昨5日、内閣総理大臣を宮中に召され、左の勅語を下賜せられたり。

「朕、先にポツダム宣言を受諾せるに伴い、日本国最終の政治形態は、日本国民の自由に表明したる意思により、決定せらるべきものなるに顧み、日本国民が正義の自覚によりて、平和の生活を享受し、文化の向上を希求し、進んで戦争を放棄して、これを万邦に修むるの決意なるを思い、すなわち国民の総意を基調とし、人格の基本的権利を尊重するの主義に則り、憲法に基本的権利の改正を加え、もって国家再建の礎を定むることをこいねがう。政府当局、それを朕の意を体し、必ずこの目的を達成せむことを期せよ」

昭和21年3月6日、幣原喜重郎内閣における臨時閣議にて『憲法改正草案要綱』が承認されました。これが現憲法の出発点となっていますが、同日、この憲法改正草案要綱発表の傍ら、昭和天皇の勅語を掲載した上の『官報号外』が発表されました。この勅語は、前日の3月5日に幣原喜重郎内閣総理大臣が大臣を帯同して参内し、天皇陛下に拝謁をして諸般の事情を内奏した際に賜ったものです。