【宮中と府中の別】

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大日本帝国憲法の時代のこの考え方は、良い考え方だと思いました。
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「宮中」は天皇に仕える内大臣や侍従長のことです。 
「府中」はそのまま、政府のことです。
「宮中」は天皇に仕え、補佐する立場にあったので、政治や軍事には介入しないのが慣例でした。 
なので、内大臣・侍従長に就いた人は、総理大臣・国務大臣などを兼務することは避けられていました。 
これが「宮中府中の別」です。

宮中の職は、政府からは独立した存在である、ということ、具体的にいえば、天皇の側仕えの人たちの仕事に、政府が政治的意図で口を出してはいけない、宮中の人事を政治的意図で決めてはいけない、といったことです。
宮中と府中の別の理由は、宮内大臣など天皇の側近となる人物が「これは陛下のご意思である」みたいな感じで、政治に対して大きな発言権を持ってはマズいと考えたからでしょう。
また、宮内省を行政機関に組み入れてしまうと、閣僚の誰かが宮内大臣を抱き込んで、天皇を利用して自分の政論を押し通したりするケースも考えられますね。
要するに近代国家の運営には、君主一人の意見で政治が左右されるようなことは、あっては困るわけです。
それと同時に、内閣の失政があった場合に、天皇にその責任を負わせないための配慮でもあるかと思います。

今の日本国憲法の体制は、国民主権なので政府(府中)が宮中にまで口出してしまうということろが、皇位継承問題に当事者の皇室が関与できなくなってるという点が変過ぎると思います。

元々は、宮中とは朝廷内のこと。府中とは地方に置かれた朝廷の出先機関のこと。
朝廷の出先機関が朝廷の上に来るのはおかしすぎると思います。

◎以下、追記します。
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昔の宮内省は政府の機関(府中)ではなく宮中の機関として政府から独立していました。それは昔の宮内省という機関は完全に皇室の家来であるという意味です。
現在の宮内庁は、総理府の隷下にある府中の一組織です。昔のように宮中の組織ではありません。なので、職員には皇室のためという気持ちを持った職員はいるでしょうが、そもそもの組織自体が、政府隷下の府中の組織であることに問題があると思います。それゆえに要職に就く上級幹部は国家上級公務員としてポストとして他官庁からの来てずっとはいないというデメリットがあります。
一番天皇陛下のおそばにいる上級幹部がポストで他官庁に異動してしまうのであれば、皇室のために骨を埋めるという風になりにくいというシステムも今後は要検討すべきだと思います。
宮内庁は何やってんだ論の方は、まず、この組織機構の違いを理解すべきだと思います。

現在の宮内庁は政府の一組織ですから、突き詰めると責任は政府にあります。が、政府の政治家の皆様は、どのくらい宮内庁のシステムに危惧を抱いている人がいるのでしょうか?宮内庁のことだからと無関係を貫いている人もいるのでは?と思います。

また、話は逸れますが、皇室典範では女性皇族の結婚は皇室会議をへることなく本人の意思でできるというシステムです。例えば、とんでもない人間に騙されて結婚するとしても法的にそれを阻止することはできないのです。ここは今後、よく検討すべき事項だと思います。

この度のご結婚問題の対応の責任は突き詰めれば、政府に責任があります。昔なら切腹して責任をとるのでしょうが、現在の政府や役人にそんな責任感を持っているのかはわからないですね。
少なくとも責任者は自決とまでは言わないですが責任をとって辞任しても足りないくらいのことだと僕は思います。