ユーロ圏、物価見通しを上方修正 22年も2%超


【ベルリン=石川潤】欧州連合(EU)の欧州委員会は11日、秋の経済見通しを公表し、ユーロ圏の物価上昇率予測を大幅に上方修正した。2021年は前回7月時点の1.9%から2.4%に、22年は同1.4%から2.2%に引き上げた。エネルギー価格の上昇とサプライチェーン(供給網)の乱れなどの供給制約が原因で、当面は欧州中央銀行(ECB)の2%目標を上回る物価高が続くことになる。

物価上昇の根っこには、新型コロナウイルス危機からの経済の急回復に供給が十分追いついていないことがある。ユーロ圏の10月の物価上昇率は4.1%となり、米国でも10日発表の10月の物価上昇率が31年ぶりに6%台まで高まった。半導体不足などの供給制約の解消にはなお時間がかかる見通しで、一時的とされてきた物価高の長期化が鮮明となりつつある。」