あいにくの天気ですね
そして11月の始まり
さ、深呼吸しながら
地に足をつけて
やっていきましょう
この時期に思い出すことがあります
AYA世代の患者さん
手術も化学療法も
自ら説明を聞いて
しっかり判断
病と生活を
見事に癒合していた
しかし
ある日
抗がん剤が
これ以上、効果がないことを
告げられた
緩和外来には
その日予約はなかったが
臨時で受診
診察室にはいると
「あーあ」
「いよいよみたい」
あー、今日はつかれたなぁ、と
のびをする
「よく頑張った」
「うんうん、よくやったよね」
「うんうん」
「あーあ、わたし、えらい」
うえをむいたまま
なみだをこらえる
「あと三ヶ月くらいだって」
「もう少し生きたかったな」
「頑張ったけどな」
「もう少し付き合ってね」
「最期までそばにいて」
「母に迷惑かけちゃうなぁ」
「母のこともたのみます」
よしっ!
と
前を向く
薬の相談
食事のこと
彼とのこと
次のステージで
あなたがかがやけるよう
わたしができること
考える
よそうを大きく上回って
彼女は
生きた
周りの人を照らす
そんな太陽みたいな彼女
涙を見たのは
あの時だけ
いや、
みせないなみだは
たくさんあっただろう
よく頑張ったね
ありがとう
これが最期の会話だ
まだ頑張っているよ
待っていてね
また会おう