だれしも

人生に一点の汚点がないひとは

いないでしょう


だから

ゆるされたいし

ゆるしたい



でもくちにするのは

難しいことです



あやまちに

きづくのは

あとからだから



「自分は好き勝手にいきてきた」

「子供はにさいのときから

会ってない」

「捨てたわけじゃない。ただ

自分がたよりないから

出ていった」

「それ以来ひとりだ」


「やんちゃした」

「すきなようにいきた」



「世の中をうらんでいた」


「病気になったのも

社会のせいだと、思って

恨んで生きてきた」




「なんてことをしてきたんだろう」


いまになってきづいても

おそいね、と

自嘲ぎみにわらう



強がるけれど

芯は真面目な方なのだろう


診察におくれることはなく

連絡してから予約外受診

薬もきちんと管理



なかなか

難しいこと



「ゆるしてもらえるかなあ」


「ゆるしてもらえないよなあ」



仕事をやめざるをえなくなり

だんだんと体力がなくなってきた


訪問看護や訪問介護に

たよりながら

なんとかひとりですごした



「人生の最期にあたたかな人達に

あえた」



「ありがとうありがとう」




そう言って泣いた



どんな人生だったのか

うまれつきの障がいもあり

生きるのはつらかったと

はなされたこともある



大変な人生をいきぬいた




せめて

苦痛なく

旅立てるように


すこしは

おだやかに

過ごせるように



どんなひとにも

生きる生き抜く

そして

おだやかに

旅立つ権利はある



ゆるしゆるされる


難しい


心に正直に

まっすぐに

いきるしかない




寒くなってきたね


ゆるしてほしいこと

ゆるしたいひと

ゆるしてほしいひとは

ありますか?