全てを自分で決めて

 

治療も

 

緩和医療も

 

並行してきた

 

 

 

その過程で

一度たりとも

悲観的な言葉を

私たちに向けたことはなかった

 

 

そんな

あなたが

 

 

「怖いよ」

 

 

そう呟いた

 

 

小さなこえで

 

 

初めて聞くその声に

 

 

どれほどを抱えていたのかと

胸がぎゅっと締め付けられた

 

 

 

「でもね」

 

「怖いけど」

 

「死にたくないし」

 

「死んじゃうのはしょうがないけど」

 

「もう少し生きたいから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「少し弱音吐くかも、これからは。いい?」

 

 

 

もちろん

 

 

 

あなたがあなたの人生を決めていい

 

それでいい

 

でも

少しくらい弱気になったって

涙したって

いいのよ

 

 

あなたはあなただものね

 

 

少しだけやせた肩を

トントンとした

 

 



 

生きる

 

 

生きる

 

 

命ある限り生きる