ふと


思い出したのです


きっかけはあるけど

それば省きます



納骨をいつするか


父のお骨を、どうするか


母は

全骨収骨をして

全部持ち帰った



おおきな骨壷



忘れられない



母は納骨したがらなかった


そばにおいておきたい、と

泣いて訴えた


私は当時家をでていた


母のすきなようにすればいいと

私は言った



親戚は

はやく、おさめるべきだと

つたえてきた


“成仏しない”

“ばちがあたる”

“縁起がわるい”



でも

母は

がんとして

きかなかった



わたしも

それでいいと思っていたから

きいているふりをして

やりすごした



色々なしきたりがあるのは

理解できる



が、それをうわまわる

心ときもちがある



きめるのは

ほかでもないあなた

あなたでいい



父とのお別れから

数年経過



母は認知症を

発症していたと思う

だんだんあやしくなる

記憶が保たれるうちに

納骨したかったのか


ある日

お墓に入れると決め

わたしに

納骨の段取りをするように

つたえた


どんな

思いだったのか



それから11年後


母もたびだった


母のお骨は

父のもとに

比較的すぐに

納骨した


父と母

ようやく再会したのだ



納骨の時期

決まっているのよと

いわれたら

そうだ、と思う


でも

許されるなら

あなたがきめていい




母は

わたしの妹と弟の

小さなお骨を

抱いて

父の元にいった


それは

母がむかしから

話していたから



向こうに行ったら

この世で生きられなかった

ちいさな妹、弟を

ぎゅっと

してあげたい



そんな気持ちに

時々なる




やっぱり

あなたがきめていい


それはきっと

旅立った

あなたの大切なひとも

そう思っているから