さっきまで話していたのに、ということは

信じられないようですが、度々あります

 

 

もちろん

多くのご家族は動転します

 

私たちも驚きます

何度経験しても慣れるとかそういうことはなく

本当に胸をつかれるようなそんな感覚にとらわれます

 

 

それは予測されたものであっても

予測は難しいものであっても

いよいよきたそのお別れの時に

静かなそれでいて重々しい空気が

流れます

 

 

少しずつ意識が遠のく中で

「ありがとうね」

「お医者さんや看護師さんは

笑ってないとだめだよ」

「その笑顔に辛さが飛んでいくんだよ」

 

そう話したかんじゃさんの旅立ち

 

 

家族は

思ったより早いそのお別れに

涙を流しながら

それでも患者さんに

話しかけた

 

 

”ありがとね”

”家族仲良く生きていく”

”十分に話してきたから寂しくないよ”

”これからも聞いてよね”

 

 

たくさん話した

自分のこれまでのことも

これからのことも

 

 

まだ死ねないな、と話した

次の日のことだった

 

 

 

死ぬまで生きるから

 

 

それをそのまま実現した

 

 

 

お疲れ様でした

出会いに感謝

また会いましょう


あなたはなくなったらモノだ、と

話されましたが

家族の胸につながって

かたちはないけど

つながっています





 

 

人の数だけ

家族の数だけ

 

 

その形はさまざま

 

 

生きている生きていく

 

 

そのさきのどこかに終着駅がある