なんとか一日が終了・・・

 

 

もう7月が終わります

 

 

独り暮らしの患者さんが

臨時受診

 

どうにかこうにか

受診にたどりついたようで

 

どうにかこうにか

診察室までやってこられました

 

 

「ほっとした・・・」

 

「この猛暑の中家で倒れたら

おわりだと思って」

 

「ここまでたどりついた」

 

「よこになりたい・・・」

 

 

 

そういってベッドに横になる

 

 

「入院したい・・・。もうご飯もたべられないし

水分もやっと」

 

 

「ようやくかみさんがむかえにきてくれる」

 

 

「ようやく・・」

 

 

親戚とも縁がなく

妻も20年前に先立ち

天涯孤独

 

 

 

 

 

これからのことは

身元保証人に委託し

あとは

静かにその時を迎えたい、と

 

 

前から緩和ケア病棟を予約し

でもできるだけ自宅で過ごしたい、と

がんばってこられた

 

 

人間は気力で何とかなる

ほんとにぎりぎりながら

なんとかかんとか

過ごしてきた

 

先をみて過ごすことは

なかなかできない

 

怖いし

現実をみたくないし

 

それでも

自分で決めなくてはいけない

 

 

 

「胃瘻もいらない」

「食べ物も食べられるだけでいい」

「延命治療もいらない」

 

 

 

「骨が痛くて受診したのがはじまり。

まさかのがんの転移だった」

「それから数年頑張れた」

「家もだいぶ片付いた」

「これからは余生をゆっくり

すごしたい」

 

 

「遠い親戚がいるけど、顔も思い出せない」

 

 

 

「もう大丈夫」

「家で死ななくてよかった」

 

 

「気が抜けたらほっとした」

 

「今日は休める」

「ありがとう」

 

 

 

 

 

「ありがとう」

 

 

 

なんどもなんども

 

 

 

”いきることを全うしてほしい”と

伝えると

 

「もちろん。命を粗末にはしません」

 

 

安心した

 

 

ほんとにここまでよく過ごされた

 

 

これからはすこし人の力を借りて

 

少しでもゆったりと

心配せずにすごして

 

 

いつか来るときは避けられないけれど

それでも穏やかな日々の積み重ねで

前をむいて生きていく

 

私達は

それをささえる

 

 

ささえる

 

 


 

 

終末期の医療やケアのなかで

大切なことはなんですか?と

問われたら

 

みなさんはなんと答えますか?

 

色々あります

 

友達との時間を大切にしたい

家族との時を大切にしたい

最後まで治療をうけたい

治療より自分の生活を優先したい

 

 

色々あると思います

 

どれも正しくて

どれも重要です

 

 

私はなんだろうな

まず、ペットのことを托したい

自分の実家のお墓を永代供養にする

あとは痛みや苦しみはないように

もう治らないのなら、医療は不要。

心地よいと感じるであろうことだけ

続けて欲しい

 

だれも側にいなくてもいい

家族には自分の生活をすごしてほしい

涙を流してくれる人がいたら

すこし生きていた意味があるって

おもえて嬉しいかも

 

 

 

なんて考えてしまった