食道癌の患者さん



半年くらい前から

痛みを強く訴えていたのに



なかなか、対応がなされず



「死にたい」



と、いうようになった




死にたいなんて

たいへんだ、となり



精神科に

受診するようにいわれた



精神科で

患者さんは

つぶやいた



「だれもわかってくれない」

「死にたい」



(死んでしまいたいのはなぜ?)


「そんなん決まっている」

「痛いから」

「痛いって言ってもだれもきいてくれない」



「死にたい」

「こんなに痛いなら生きている意味がない」






「一人暮らしだから

なんとかしてもらわないと

生活できないんだよ」

「痛いのをなんとかしてほしいだけなんだよ」





どうしてすれ違ってしまうのだろう





なぜ

死にたいと思ったのか




だれにも理解してもらえない。と

感じさせてしまったのではないか







緩和ケアチームに

紹介されたときには

痛みで動けず





痛みは

骨転移によるもの



相当痛かったでしょう

よく耐えられましたね

今まで、痛みをとることがされず

申し訳ありませんでした




と、つい口にしてしまった



患者さんは


「おそいよ」

「あなた達にいうことじゃないけど」




「お願いします」






目を閉じたまま




痛みはその日の午後には

軽快した






痛みへの対応



なぜ、何もされないのか




どうして



痛みの緩和が



軽んじられるのか




しにたいとおもうほどのつらさに

対応しなかったことは



罪深いと思うよ



身体と、心は

つながっているの



死にたいほどの痛み


つらかったね





これからは

楽にすごして






痛みや不安は


眠れない


だれでも

そう


「検査ばっかりでつかれた」

「がんがどうなっているのか

知りたいのはせんせいだろう?」


「ぼくは

痛いのをなんとかしてほしいだけ」


「緩和ケアがあるのに」


「どうして、痛みをとってもらえないの?

病院って

連携してないの?」



その通り



ほんとに



その通り