なんということか!

私は憤りで体がふるえます




どんなひとにも
希望はあっていいし
あるに決まっている


なのに
なんということか

大切にしていたその希望を
うちくだいた


「家に帰りたい」

そう話す患者さん

それば無理とわかっている

それでも
希望


かなわないかもしれない
それでも
希望をもつ




急に話さなくなった
まるで貝が口をとじるように




何があったのか
わからなかった
スタッフもみんなわからない


患者さんは
ケアもうけたくない、と
目を閉じている






毎日足をむけた
スタッフも受け入れる範囲の
ケアを続けた




貝の🐚口が開くのを待つ


待つ


待つ




ある日


「希望を持ってもいいのか?」
「死にゆくひとは希望をもったら
だめか?」


そう聞いてこられた



ある医師が
いいはなったそうだ


家に帰ることはできない。
それに
家に帰って何をするの?
寝ているだけなら
どこにいても同じでしょ?


あぜんとした

プンプン


なんだその言い草


自分の無力を
そんなふうに転嫁するなんて



ありえない


ほんとにありえない


ねているだけでも

家はちがう



色々な価値観があると
思うけど




その言い方はないな



人間としてどうか



「自分も帰れないと思う」
「でも犬にもあいたい」
「ばあさんも気になる」




希望

かなえよう


どうすればいいか
考えます



「無理でも、そう言ってもらえると
嬉しい」
「かなわない希望でも
もっていたい」
「それが希望なんだ」

「自分もこうなってはじめて
わかった」








あのね

それ
ドクターハラスメントですよ




ほんとに





医師は

基本的なコミュニケーションスキルが

たりない


数学や物理が

どれだけできても


こころは

よみとれない


公式には当てはめられないから