どうももやもやします・・・

 

 

食道と気管支は隣同士です

 

どちらかに病気があると

双方に穴が空いてしまうことがあり

 

食べたものが息の道のほうに

ながれてしまい

炎症を繰り返し、最終的に

肺炎を生じます

 

 

痰もだしきれなくて

苦しいことが多い

 

 

積極的治療として

ステントを気管支に留置することがあります

 

これもよしあしですが、食道から流れる事は

防ぐことができ苦痛緩和になります

 

色々な提案のなか

今以上の治療を望まれない患者さん

 

メリットデメリットについては

何度も説明し

ご自身も食事は思うようにとれず、

点滴からとはなるけれど

それでいいよ、と

体調におりあいをつけました

 

 

ある日

主治医に患者さんがいいました

 

「なんか食べられるように

なりたいなあ」

「カレーライスとか」

 

 

すると主治医が

 

「すきなものをたべたらいいんじゃないですか?」

 

 

と答えたのです。

 

 

「え!いいんですか?」

 

家族に

患者さんは伝えました

“病院では絶食だけど、なにを

食べてもいいって”

”なんかもってきて”

 

 

よくわからないけど

そのように患者さんにいわれたら

家族は

”たべていいってなったんだ”

”うれしい”

 

 

そういって

家族は本人の欲する

カレーライスを

もってきたのです

 

 

 

看護師さんは部屋にはいったときに

違和感をおぼえたそう

 

絶食のはずなのに

カレーのにおい?

 

 

でもご家族がたべたのだろう、と

気にしながらも気にしなかったそうです

いや正確には

気になったけど気にしないようにした、かな

ご家族に、カレー食べました?とも

聞きにくいですものね・・・

 

その日の夕食後

 

激しい咳き込みと発熱

もう喀出できないほどの痰

 

 

そうです

あきらかに誤嚥?というか

なるべくして

生じるべくして生じた

肺炎です

 

 

患者さんのご家族は

ご立腹していました

 

「何でも好きなものを食べていいですよって

言われたら、そうしますよね?」

 

「でもこんな風になるなら

食べさせなければよかった」

「私達が注意して、看護師さんに

ちゃんと確認すればよかった」

 

 

どうしよう・・・と

患者さんの奥様は頭をかかえる

 

 

私も頭をかかえる

 

 

なんでも好きなモノをたべていい?

そりゃそうしたいし、そうなるといいと

思ってるよ。

 

 

でも

 

食べられないよ

 

しかも

かえって苦しくなってしまう

 

 

元主治医に質問してみた

“無理をせず、少し口の中を

潤す程度の水などが限界のように

感じます”、と

 

 

すると元主治医は

 

 

「あ〜。別に少し苦しくなっても

患者さんが食べたがってるからね」

「かんわのひとはなんでもじゆうじゃないの?」

「かんわなんだもの」

「自由にさせたらいいんじゃあないですか?

 

 

かんわだったら

なにをしてもいい?

 

 

 

 

う〜ん

 

 

 

もやもやするぞ

 

苦痛が生じることが明白なら

 

それはやってはいけないのでは?

 

 

患者さんのために、っていう台詞が

白々しく

きこえちゃって・・・・

 

 

もやもやがとまらない・・・です

 

 

かんわなんだから、なんでも自由に??

 

 

正しい医学的判断と

正しい説明があって

その上デメリットでメリットを

判断して決定する

 

 

 

もやもや・・・もやもや・・・

 

image

 

ぷんすかぷんすか

 

 

どうもおこってばかりで

よくないなあ

 

 

でもね

 

緩和だから

終末期だから

なにしてもいい、は違う

 

本人の希望であれば

ちょっとでもかなえられるように

していくこと

 

それはなんでもかんでも

いいよ、とは

 

私は言えないんだなあ