治療をしたくないといっている

患者さんがいるので

話を聞いてほしい、と

 

緩和ケアチームに連絡がありました

 

 

緩和ケアチームは

がん拠点病院には必ずあります

 

機能はどの程度かは

その病院の考え方

緩和ケア医の考え方

認定看護師の考え方などによりますので

活動の仕方は様々です

 

 

当院では

医師も看護師もどの職種からも

緩和ケアチームにアクセスできるように

なりました!

もちろん主治医に連絡をし

情報を共有して

患者さんの苦痛が軽減するように

チームで頑張る!!

 

 

「緩和ケアの人?」

「待っていたよ〜」

 

 

あら、拒絶されない

ウエルカム?

 

それだけで少し嬉しくなっちゃう

 

 

「先生なんていっていた?」

「治療したくないっていったら

おこったように出て行って」

「緩和ケアチームに紹介するから

相談してって」

 

 

なにかお考えがあるのでは?

 

「そうよ〜」

「治療したくないって言ったけど」

 

「全く治療しないってわけじゃないよ」

「一度はやってみるっていうことだよ」

 

先生には?つたえました?

 

「伝える前に先生いっちゃったもん」

 

「効果がないって思ったら

やりたくないって言いたかったんだよ」

 

 

なるほど。

先生のはやとちりですね?

 

 

「私は、もともと

延命治療はしたくなかったの」

「自分の親にもそうやって言ってきた」

「自分が自分である間を

大事に生きたいだけ」

 

「その考え方間違ってる?」

 

いいえ、私はそうは思いません

 

 

「え?」

 

「はじめてそう言われた」

 

「おいしゃさんはみんな

治療治療っていうからさ」

 

「せんせ、変わってるって言われる?」

 

 

アセアセアセアセ時々いわれる、かな?

自分では普通のつもりです・・・

 

 

「みんなそう言うんだよ、自分は

変わってないって」

 

「私もそうだもん」

 

 

はははは、と二人で笑った

 

治療をしたくないわけではないが

迷惑をかけてまで生きていたくないということ

 

治らないとなったら

穏やかに過ごしたい、って思う

 

 

「それの何がいけないの?」

「何が先生を怒らせたの?」

 

 

急に真顔で

涙目になる

 

 

背中をさする

ここ痛いでしょ?と

声をかける

 

 

「そうそう、よくわかるねえ」

 

「あったかい手だよ」

 

 

ありがとう

 

こちらこそ

ありがとう

 

 

またきます、と伝え

退室した

 

なんとなく彼女のきもち

わかるな・・・

治療治療・・・か・・・・

 

 

患者さんは少し気持ちがラクになったかな

 

 

これでよかったのかな

 

 

”ただ話をしただけ”と感じるか

”患者さんの真の苦痛に目を向けるための対話”と

とらえるか

 

 

ヨリソウ

ケイチョウ

 

どちらも

くちはばったくて

いえないけど

 

患者さんのために

少しは役にたてたかな?

 

少しは

患者さんの気が楽になったかな?

 

それが緩和ケア

目に見えないけど

それが緩和ケア

 

image

 

いいよ、かあさま

 

って言ってくれているのかな