消化器がんの患者さんの
娘さんがある日、少し
怒ったようなとまどったような
表情で、患者さんと一緒にこられました


患者さんは
おなかに痛みがあるので
入院
そのときに
緩和ケアチームでお会いして

お薬で痛みをとりながら
うまく調節して
退院となりました



問題は退院後


“薬はあまりのんじゃいけない”

“のむとくせになる”

“だから痛み止めはつかわない”

となったそう


「一切の痛み止めを使わず」
「ごはんさえ食べなければ痛くないから
じっと耐える」
「くすりに頼ったら治らない」


顔色も悪く
今にも倒れそう

それで耐えると言う

「はやく良くなって
抗がん剤をやってほしい」
「痛み止めで体がよわると
抗がん剤できなくなる」


だから大丈夫、と
顔をあげる


娘さんも困った顔


(抗がん剤も薬です)
(食べられないと治療は難しいかも
しれません)


「治療すれば痛くなくなります」
「だからいいんです」


、と、娘さんが声をあげた


「お母さん!いい加減にして」

「ちゃんということ
きいてよ」

「やだよ、もう!」

「やめてよ、みてられない!」


しーん、とする

患者さんの携帯からLINEの通知音が
なり、みんな我にかえった



とにかく
一度、頓服でいいから
薬をのんでみてください

少しでも、食べて

娘さんも心配してます





結局くびをたてにふることはなく
帰られた




薬への抵抗と
抗がん剤への希望



どちらも理解できるが、
治療も症状緩和も
大事なこと



どうしたら
よかったのか







結局食べられないまま時はながれ

抗がん剤治療は
おこなえなかった


最後まで、鎮痛剤や点滴を拒絶し
抗がん剤を、切望しながら、の
最期だった


娘さんは
「母は満足して死ねたのでしょうか?」
「なんか悔しいけど、それが母なんですよね?」



わたしも悔しいです
調節しきれなくて申し訳ない



「わたしは緩和ケア、すきです」

「わたしのきもちも聞いてくださって
ありがとうございました」


すこし切ない

すこしやりきれない




ただいま
絶賛ダイエット中

シルエットの変化を
確認していきます


ジロウは
時々
食べない日が
ある

ササミだけは
たべるよ


心配だよね
家族の不調は