コミュニケーションは

病院の中だけじゃなくて

一般の社会でも難しい

 

 

よかれとおもって声をかけたことが

裏目にでてしまうことは

だれにも経験があります

 

 

乳がんの患者さん

 

とてもとてもお元気にみえるけど

病状は以外と深刻

 

だれにも笑顔でふるまい

明るい彼女に

病気があるなんて

多分病院ですれ違う人も

わからないかもしれない

 

それくらい笑顔

 

ある日の診察にて

 

「近所の人にね、元気そうね」

「ほんとは病気なんてないんじゃないの?」

「そう言われると、複雑な気持ちに

なることがあるの」

「なんでかしらね?」

 

 

なんででしょうね・・・

ちょっと痛みが強くなっているとか?

 

「あ、それはあるね」

「薬増やしてもらった方が

いいかもって思ってたんだった」

 

 

身体の症状があると

ゆとりはなくなる

 

彼女は薬嫌いで

なかなか鎮痛薬を使用することに

首をたてにふらなかった

私の歴史上3本の指にはいるくらいの

薬嫌い

 

その彼女が薬をふやして、っていうのだから

痛いのかな・・・と

 

 

「近所のひとも悪気がないのよね」

「わかってるけどなんかイライラしちゃう」

「わたしもそうやっていろいろな人に

声かけちゃってたのかも、って

反省してる」

「難しいねえ・・・近所付き合いもさ」

「でもお父さんがのこされるでしょ?

仲良くやっておかないといけないし」

 

彼女が入院するときは

ご主人のご飯を近所の人が

とどけてくれると聞いていた

 

心は元気だけど

身体が通常運転じゃないだけなんだけどね、と

私がつぶやくと

 

ケラケラと彼女は笑った

 

「そうそう、心は通常通りなんだけどね

身体が休日運行になったり、ダイヤがみだれるのよ」

 

「ま、いっか」

「きにしないようにするのも大事よね」

「ま、いっか」

 

”ま、いっか”も彼女の口癖

 

私もいきづまるとま、いっかって

こころを解放する

彼女に教わったこと

 

 

「薬嫌いの私が薬増やしてって」

「前はきらいだったのにって思ったね?」

 

あ、ばれてた

 

「心がみえちゃうよ」

「せんせの隠し立てのないとこ好き」

「愛の告白よ」

 

 

ありがとうございます、かな?

 

「またね〜」

 

「あんまし気にしないようにするね」

 

 

ふわん、と車椅子を回転させ

帰っていかれた

 

大丈夫?

元気そう

なんだ元気そうじゃない

まだ大丈夫だよ

 

 

よくわからないけど

なんだか

元気なひとが

元気なひと目線で

声に出す言葉って

 

はげましにもなるけど

刃にもなるんだってこと

 

感情にも

表と裏があって

うれしいけどつらい

つらいけどはげまされる

 

 

そうだ!

 

気になる言葉をいわれても

 

自分は自分って

いちど声にだして

深呼吸してみよう

 

 

そして

 

ま、いっか

 

今日も行ってきます

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まだ眠い・・・

 

ま、いっか、また眠ればいいよね