令和2年もいよいよさいご

 

コロナで大変な年でした

 

新しい生活様式

 

 

大晦日とはいうものの月末に

すぎないので

私自身は通常運転

(大掃除をしたくないいいわけ、とも

とれますが)

 

年明けに

手術や検査を予定されている患者さん

そして家族がそれらを予定されているご家族

 

気持ちがおちつかないかもしれません

 

この1週間の休みが

心配で

一日でも早くって

気があせるかもしれないけれど

 

緊急の疾患でなければ

その期間は心配ない

 

それよりも

少しでもおだやかに

ひとつでも多くの笑顔を

少しくらい涙もあってもいいから

 

心配せずに過ごしてほしい

 

過剰に心配しすぎず

過剰に摂生しすぎず

 

入院したら

多分しばらく面会もできないだろうし

 

今できることはいまやっておこう

 

 

もし

一人暮らしもしくは

二人暮らしとかで

 

退院してからのことを考えると

 

例えば

すこし日持ちのする食材を

購入しておいて

退院してすぐに買い物に行かなくても

よいようにするとか

 

洗剤や石けん、トイレットペーパーなど

退院してからないと困るモノを

確認しておいて補充するとか

 

そういうことも

だいじなのよ、って

 

教えてくださったのは

患者さん

 

老々介護で

お二人ともがん患者さんで

お二人とも手術や入院

化学療法などの入院を

繰り返していた

 

妻は

自分が入院する前には

退院後のことも考えて

食糧を100gずつわけて冷凍したり

ご飯もあらかじめ炊いて冷凍しておいたり

野菜は仕方がないから

野菜ジュースを買って置いたり

夫が1人で過ごすことができるように

自分が退院してからもすぐには

買い物にいかなくていいように

 

 

「そうやってやっていけば

いつか急に自分がいなくなっても

このやり方が身につくでしょう?」

 

「宅配のお弁当も

1日1食はとるようにしてるの」

「夫はこういうのが嫌いだから

急にとるようにっていわれても

抵抗するだろうから」

「1日1食あるとラクよね」

 

 

自分の大事にしている役割を

少しずつ相手にわたしながら

人生をすごす

 

「病気のことをくよくよしている

時間がもったいないわ」

「色々なひとに連絡して

話せるうちに話しておきたいの」

「夫より多分私が先に逝く」

「だから夫にしてもらうことを

最小限にしておきたい」

「洋服なんて10着くらいしかないわ」

「捨てすぎて、今年は少し

買い足したけどね」

 

 

人生を指南してもらった

 

人生をたのしみ

大事にしていた茶器を

お世話になったひとに譲って

安心して最期の入院をした

 

 

「痛くないようにだけ

おねがいね」

「おとうさんのことも

宜しくね」

「先生、また会おうね」

「そしたら友達になろう」

 

そういって旅立った

素敵な女性だったなあ・・・

 

その後

夫も緩和ケア病棟で看取った

 

 

私は二人に会えるのがたのしみ

その時は患者ー医師でなく

友人として

人生の友として

会いたい

 

 

今日は大晦日ですよ〜

貴女の旅立った日は12月31日でした

 

「せわしい日に旅立つなんて

せっかちな奥さんらしい」

そう話していた夫の姿を

今も思い出します

 

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かわらぬ定位置

ジロウ14歳