やっぱり
色々な方の意見は参考に
なります

義母に伝えないこと
わからせようとしないこと

うしろめたく感じていたのですが
あるがままでも
いいってことですね

ホッ


同じことは病気の診断、治療にも
おこることがあります


認知症のある方に
がん、であることを
どうつたえるか


80代の患者さんが
胃がんと診断されました。

食べられないけど、歳のせいと
考えるし
痛みも自分では訴えられない

これはおかしい、となったとき
すでに進行がん

さて家族は

がんと伝えるか
迷いました


なぜなら
「がんになるのは怖いなあ」
常々そう話していたから


息子さんは
「治らないなら、つらい治療の
意味もわからないから
余計につらいですよね」
「がん、という言葉のひびきだけが
つらいように感じます」


結局病名は告げずに
対症療法をおこないながら
すごした。

何度めかの入院のとき

「なんで今回は、こんなに
元気にならないんだろう?」

なんでそう感じるのですか?

「いつもなら少しずつ元気になるのに」

「治らないのかなぁ。
もう長くないのかなぁ」


一緒にいた長男の額に
汗がひかる


暑いわけではない


わたしも汗をかいていた


何が正解なのか?

もはや
わからないけれど


私はとっさに
(治るのに、時間がかかるかも
しれませんね)

そう伝えた


正しい答えではないかもしれないが
“大丈夫”とか
“よくなりますよ”とかは
ふさわしくないように感じた


(ゆっくりしてください)
(気長にいきましょう)


「そうか。まあ、寝ていれば楽だし」


認知症患者さんへの
緩和ケア

がんであってもなくても
必要だと痛感した



このあと
患者さんはゆっくりと
眠るように
旅立った


妻は
お別れの時
本人の体にすがって泣いた

「ごめんね、おとうさん」
「うそついていて」
「ごめんね、ごめんね…」


涙はとまらなかった


どんな選択にも
正解はなく
答えはない


が、

そのときそのときの
判断は
ベストなのだから



年末年始
かわらず
病院は働いている

認知症があっても
その人は
かわらない
尊厳を守る