痛みを感じたことのないひとは

いないだろうと思います。

 

痛み止めを使いながら

過ごしている方は少なくないと思います

 

痛みの原因を知ることは

意味がないという医師もありますが

 

やはり痛みの原因を

同定することことは

とても重要です

 

痛みについて診察をした後

必要な検査を行うことで

痛みの性状を知り、痛みについて

どう対応するとよいのか

薬は何を選択したらよいのか

 

それらを考えることは

とても重要です

 

なので

“検査もしない、なにもしない”と

おもわれがちな緩和の外来でも

検査をします

 

 

背部の痛みがつよく

色々な薬を試しても効果がない、と

紹介された患者さん

 

「どの薬も効かないから、何も飲んでいない」

「痛くて眠ることもできないんだよ」

 

 

病変があるのは食道

およびその周囲のリンパ節

 

彼が苦しんでいる痛みは

首から肩にかけて

奥の方からずきんずきんと

絶えず痛む

 

 

この痛みは

関連痛、放散痛という

すこし離れた場所に

痛みがでることをいう

 

 

例えば

胆石があるときの痛みも

胸に痛みが走ったり、

虫垂炎の痛みは

胃のあたりに痛みが走ったり

 

 

神経に作用する薬剤をしてみよう

医療用麻薬は貼付剤で

 

あともう一つ

 

 

薬の効果は

一回、2回だけでは

判断できないこともあり

 

少し続けて使用していただきたいことを

伝えた

 

痛みはゼロにならないかもしれない

それでも

生活への支障を最小限にできるよう

私も努力するから

 

一緒にかんがえさせてください

 

長い間つらかったですね・・・

 

 

はっとしたように

顔をあげられた

 

今までのような

イライラした様子は

うすれていた

 

「わかりました」

「少しずつってことですね」

 

 

たしかに治りにくい痛みかもしれない

もしかしたら

ずっとつきあわなければいけない

痛みなのではないか

 

それでも

 

仕方がない、と

目をそらすのではなく

 

目をむけて対応していこうと

誓う

 

 

 

痛みの軽減の目標としては

 

まず夜眠れる

つぎにじっとしていると痛くない

そのつぎにうごくと痛くない

 

 

ひとつひとつ

順番に

薬の効果を確認しながら

確実に

 

 

日常生活がおくれるように

かんがえる

 

がん治療を行うためにも

痛みなどの不快な治療は

ないにこしたことはない

 

 

image

 

患者さんが痛いっていったら

そんな風にはみえないよ、って

言ったおいしゃさんがいた

 

患者さんが笑っていた

”痛いのはわたしなんだけどね”

”見るからに痛そうだったら

ここにいられないよね”

”まあ、言っても無駄だから

言わなかったけどね”

 

患者さん、よくわかってらっしゃる

 

ほんとに

わけがわからない

どうして

そんなこといえるんだろうね?