古いアルバムめくり
ありがとうとつぶやいた♪


ありがとう
ごめんなさい

胃がんのステージ4
親元をずっと前にはなれて
それから一人暮らし

でも
40代の患者さんが
がんと診断されて実家に戻った
彼が病気になって
まず思ったのは…


両親にありがとうと
ごめんなさいを
言わなきゃ


だったそう


親なくして子は生まれない


あたりまえだけど忘れてしまう


親への感謝


先ほどの患者さん
「親にはいっぱい迷惑かけたんだ」
「それで先に死ぬなんて」
「親不孝だな、オレ…」


目を閉じてしまった



「涙そうそうってしってる?」


「オレ、あのうた聴くと
なんかいてもたってもいられなくなるんだ」

「親と写真なんてとってないなぁ」


ふーっと息をはく



「もしさ、オレが、このまま
はなせなくなったら、先生達から
親に伝えてよ」



自分でいったはほうがいいんじゃない?


「まあ、そうだけどさ」
「かんがえとく」



それからは
その話題はなかった



患者さんの妹さんが
患者さんの
誕生日会をひらいた

回転寿司で
お祝いをした




かっぱまきをひとつ
くちにして


小さな声で
「ありがとう」とくちにしたそう


それを聞いたのは


彼が空に行ってしまってから






よかった
自分で言えたんだ


あとからは言えないこともある



涙そうそうを聞いて
思い出したよ


そして
誕生日のとき
両親の間に座って
写真をとれたそうだ


ご両親を
ご家族を
見守って



この季節は
なんだかかなしくさびしい

理由…
なんだろな…