矜持をもて、と父に言われたことがあります

 

きょうじ、と読むそう

 

もう一つ

矜恃、というのもある

 

 

 

矜持 自尊心をじっと保ち自身を抑えること

 

矜恃 見るからに自尊心があり、堂々と振る舞うこと

 

二番目の“恃”は常用漢字ではないことから

両者を意味を持ち合わせるように

なってきたのだそうです

 

 

私は

堂々と振る舞うこと、というほどの自尊心はない

 

自分ががんばってきた

患者さんから教えられてきた幾多のことを

自分の誇りとして、心にもち、自身を律しながら

振る舞いたい、とは思う

 

父の言った意味が今しみる

 

 

医師としての矜持を胸に仕事に勤しみたいと思う

 

 

もう20年ほど前のこの頃

胆管癌の終末期で家で過ごしていた父が

私に言ったことばの一つがこれだ

 

そのあと2週間ほどで入院するなんて

かんがえてもいなかった

まだまだ未来があると信じていた

 

母と折り合いの悪い私に向かって言ったのだ

 

「おまえはかあちゃんのことを嫌うけど」

「お父さんからみているとにているぞ」

 

 

え〜!!やだ

 

「やだじゃないんだ。にている。気が強いとことか」

「美人なのはかあちゃんだ」

 

ほうっといて・・・

 

「気が強くて、そんなところがすきなんだけど」

「母ちゃんには母ちゃんなりの矜持がある」

「それが気に入ったんだ」

 

そうなんだ・・・もっと優しい人いそうだけどね・・・

 

「もう一度うれかわってもかあちゃんと一緒になるなあ」

 

 

今おもうと、若干の意識障害だったのか??

普段そんなこと話す人じゃなかった

 

 

でその次にでたのが

 

「お前も矜持をもて」

「すぐまようだろう?おまえは」

「自分の信じた道でいいからすすみなさい」

 

(また難しいことばで・・・)

(そんなこと言わないでよ・・・)

(お別れみたいじゃん・・・)

 

心で泣いた

 

 

矜持

 

えりもとをすっとただして

確固たる知識と

優しさで

 

患者さんをみる

 

病気だけじゃなくて

患者さんをみる

 

 

今日もがんばる!!